演劇

皆さん、ありがとうございました。

富岡西高演劇部同窓会を終えて 何の変哲もない場所に人が集まり、照明が当たり、音が流れ、緞帳が上がり、役者が動き出すと、そこは人の心を動かす場所に変わります。こんかい懐かしい人たちと出会うことで、廃校を利用したスペースが、とても意義深い場に変…

第70回徳島県高校演劇研究大会

高校演劇徳島県大会のスケジュールをUPする。例年同様、創作が多く、多様な作品が並ぶ。今年の注目は、今回初めて創作を手がける顧問の作品が多いこと。例年に増してラインナップに厚みが増し目が離せない。 第70回徳島県高校演劇研究大会 於県郷土文化…

考えるな。感じるんだ。

演出家は、演じることを「楽しめ」というけれど、完全に役に没入している状態では、自分自身の状態に対する感覚は低下していて、むしろ演じている瞬間には、「我を忘れている」状態が理想的状態だと思う。まあ舞い上がりがちな役者をリラックスさせるために…

「暗渠2.0」ご挨拶(8月25日ヨンデンプラザ徳島)

民衆を導く暗渠の女神 「暗渠2.0」のセリフの多くの部分は、藤川里恵さんという、社会運動に力を入れている、実在の人の言葉で構成されている。藤川さんは、オイラがかつて顧問だった城北高演劇部OB。2015年の終わりごろ連絡がきた。「スピーチをす…

四国大会講評文

ゆらぎの二日間 古田彰信 難しい。四国大会の審査を担当しての感想を一言でいえば、それに尽きた。審査の意味を改めて考えさせられた。 大会前はもっと安易に考えていた。なあに自分の基準にしたがって順位をつけるだけのこと、確かな演劇観さえあればブレる…

カラオケキッズ

今は昔、1992年の徳島県大会で上演された、板野養護学校の「カラオケキッズ」という作品が忘れられない。板野養護学校の生徒たちが、市内のカラオケに行って、思いきり歌う。審査員は言った。「障害のある人たちがあれだけの舞台を創ることができるのだ…

もりまさえ一人芝居vol.4「二十四の瞳」口上

8月27日「もりまさえ一人芝居」(於ヨンデンホール)でのプログラムに書いた原稿。書きながら、半世紀以上生きてしまったんだなあとしみじみ実感。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 「今」と「昔」をつなぐ「二十四の瞳」 古田 彰信 20年ほど前、…

2016年度 高校演劇この一年 アンテリジャンス

徳島県の高校文化部活動を総括する「高文連」誌、2016年度版の演劇部門のページの巻頭言として、今年も事務局長の吉田道雄先生が渾身の文章を書かれています。吉田先生の許諾を得て今年度もここに転載します。 すぐに消費されていく数多の表現とは、次元…

第41回四国地区高等学校演劇研究大会(徳島大会)速報の文章(一部改)

高校演劇四国大会ネタを少し。 大会は今年度で41回目、「中四国大会」と合わせると54年の歴史。最初の大会に出場した高校生は、すでに70歳以上になる。 過去「文部科学大臣奨励賞(文部大臣奨励賞)」の各県別受賞回数は、次の通り。 1 徳島 22回 …

〜春季全国大会の振り返り〜「研修があったから2週間遅れだけど」

城北演劇部イズムの後継者、ナナミンの春季全国大会の振り返り。 ナナミンは2つ上の先輩モリちゃんを手本とし、3年間活動を続けた。3年生の時も、夏公演、県大会、四国大会、そして春季全国大会と、2015年度の演劇部の活動にフル参加。演劇に正面から…

徳島県高等学校文化連盟機関誌「高文連」2015年度版より

年度末。今年度の県内文化部の活動をまとめた2015年度版の「高文連」(34号)が、オイラのもとに届く。演劇部門の専門部長である吉田道雄先生が、今年度の県内の高校演劇を踏まえて寄稿なさっている。城北高の「Love&Peace」についても触れ…

「Love&Peace」自作解説

台本には、作者の思いや精神史が地層のように織り込まれている。城北高の「Love & Peace」とて例外ではない。創り手の知見の切れはしや、どろどろとして言葉にならないそのときの無意識、抽象的な観念のカケラの積み重ねなどから、作品は成り立っている。そ…

第10回春季全国高等学校演劇研究大会(伊達大会)

春季全国大会が終わりました。あっという間の5日間でした。城北演劇部は出場校として北海道伊達市へ飛び、「Love & Peace」を上演して、22日の夜遅くに徳島に帰ってきました。体育文化振興費から旅費を出してもらい、毎日おいしいものをいただ…

「もりまさえ一人芝居」Vol.3」のプログラムから「ゆるい口上」

明日公演の「もりまさえ一人芝居Vol.3」のプログラムから。言わば「ゆるい口上」です。 「無意識のこと」 ふと読んだニュースが、なぜか気になって忘れられない。 南極大陸東部の海岸にすむアデリーペンギンの群れが巨大な氷山に通り道を閉ざされ、これまで…

勤務校の夏公演にて ヨンデンプラザ徳島ホールについて思う

8/27は、ヨンデンプラザ徳島ホールで、勤務校の演劇部の公演。ここのホールは、高校生には手頃なサイズで、設備がある程度そろっており、しかも無料ということで、オイラは20年以上使わせてもらっていた。だが半年ぶりに行ってみると、ひどいことにな…

吉田道雄「歴史の息吹」(徳島県高等学校文化連盟誌「高文連」より)

徳島県高等学校文化連盟演劇専門部の事務局長である吉田道雄先生が、「歴史の息吹」と題する2014年度の総括を「高文連」誌に書かれていた。オイラの勤務校である城北高の昨年度の作品「そこは、めっきり嘘めいて」についても触れていただいた。そのなか…

「君たちがうまいのはよくわかった」

スポーツと演劇の違う点。それは「うまい」とか「技術が高い」ということが、芝居そのものの評価に直結しないことだ。より大切なことは、観客に「何を」「どのように」伝えるか、そして「観客とどのように斬り結ぶのか」ということ。「へた」とか「技術が低…

もりまさえインタビュー

3月7日、オイラの勤務校の演劇部OBがひとり芝居を上演した(オイラは演出として参加した)。作品は野田秀樹の「売り言葉」。初演は2002年に大竹しのぶによって演じられ、多彩で絢爛たる演技が評判を呼んだ。 内容は高村光太郎と高村智恵子のドラマ。…

四国高校演劇サミット2015

何度も書いたことの繰り返しになるがあえて書く。 オイラが高校演劇に対して抱いてきた違和感は、会場が大きすぎるという点である。コンクールでは間口10間以上、観客席1500席などという大きなホールで開催されることも多い。観客席から舞台までの距離…

第39回四国地区高等学校演劇研究大会(サンポートホール高松12月26・27日)

ブログをガッツリ書いている頃ならまだしも、時々Twitterでつぶやくぐらいしか発信していない昨今、実感に即して大会の感想を書いても、意を尽くすことができるとは到底思えず、変に誤解されるのも不本意なので、今回は口をつぐんでおこうと思ったが…

オオノ氏の2014年ベスト20

演劇ユニット「Will-o'-the-Wisp」の主宰者オオノ氏の恒例2014年演劇&映画ベスト20。オイラがもっとも信用をおいている芝居と映画の目利きとして、いつも参考にさせてもらっている。社会人としての責任を果たしながら、昨年は演劇122本、映画は2…

第66回徳島県高等学校演劇研究大会

2014年度、高校演劇の徳島県大会、日程です。村端先生作のチラシも、今年はカラーになりました。皆さま、よろしくお願いします。 徳島は、昔から創作が多くて、毎年ほとんどが創作です。個性的な先々有望な書き手もたくさんいて、野心的な作品が上演され…

城北高演劇部 夏公演 「ミイラ取りの午後」口上

高校生に請われて、本日行われる城北高校演劇部夏公演のパンフレット向けに拙文を書いた。以下、再録である。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 手探りの夏休み 本日はご来場いただきまして、ありがとうございます。城北高演劇部顧問のフルタです。 城北高校…

城北高「ほどける双子」雑感(四国高校演劇サミット2014)

一方、オイラの勤務校は、大岩真理作「ほどける双子」を上演した。この3月に卒業する演劇部3年、「モリちゃん」の卒業公演となる「一人芝居」である。3年間の集大成にしようというモリちゃんの熱意が、1年生の部員たちに化学反応をもたらした。 「ほどけ…

阿波高「読み聞かせ「走れメロス」」ほか(四国高校演劇サミット2014)

これは「聖地巡礼」である。 オイラはそう思っていたし、終わった今でも、強くそう思う。 2月16日(日)、四国学院大学ノトススタジオで開催された「四国高校演劇サミット2014」に上演校として参加した。ノトススタジオは「演劇のための特別な空間」…

第38回四国地区高等学校演劇研究大会 雑感

高校演劇の四国大会結果について、フルタの考えたことを少し。例年、全国大会へ行けるのは、前年に四国大会で最優秀になった「1校」のみ。だが、来年度は四国ブロックに増枠が回ってきて「2校」出場できる。今回はその2校を決定する大会でもあったのだが…

城ノ内高/大窪俊之作「ボリバールの旗の下に」(第65回徳島県高等学校演劇研究大会)

年末。四国大会を総括しようとパソコンに向かうと、なぜか徳島県大会のことを思い出した。「高校演劇の極北」城ノ内高の大窪俊之氏の名前は、2013年の全国大会で上演された「三歳からのアポトーシス」で全国的にも知られるようになった。哲学的で難解な…

第38回四国地区高等学校演劇研究大会

松山のひめぎんホールで行われた高校演劇の四国大会に参加した。以下、観劇した上演校の簡単な感想を、速報代わりにまとめてみた。ただし最初の上演1/松山東雲高「リトル・ウィメン〜きよちゃんと私の若草物語・梅干しを探して〜」は、オイラの到着が遅れ…

第65回徳島県高等学校演劇研究大会「そばや」総括

いろいろあって総括が遅くなった。実際にこれを書いているのは11月29日。一週間もあると、さすがに自分の姿も客観的に見られるようになる。 22日〜24日高校演劇の県大会。勤務校の演劇部の上演「そばや」が終了した。今年も奨励賞に終わった。労力を…

城北高演劇部「そばや」

オイラが顧問をしている演劇部の情報である。 作者の仲谷憲さんから正式な許諾をいただいたので詳しい情報解禁。城北高演劇部は、第65回徳島県高等学校演劇研究大会にて、11月22日(金)17時25分から、仲谷憲作「そばや」を上演する。 「そばや」…