タバコとファシズム



 タバコは社会の「割れ窓」にされている。

 健康増進法の施行を受けて、勤務先でも、禁煙啓発が行われている。僕はタバコは吸わないが、これはひどいと思えるようなこともままある。

 たとえば、僕の勤務する高校に貼られていたポスターには、子供が「クサイ」と大人をなじる姿を描いた絵が印刷されていた。子どもの絵である。

 確かに、タバコが人に迷惑をかけることもあるだろう。マナー違反もあるだろう。しかし、だからと言って、差別的な言葉を人に向けて投げつけていいわけがない。

 たしなめるなら、「臭いがする」と言えばいい。確かに、公共の場所でマナー違反する者は、周囲の者に対して、人権侵害をしているかも知れない。しかし、「クサイ」という言葉が投げつけられていいわけがない。ポスターは、行政関係の機関が作成し配布したもので、そのポスターを配布し貼付することは、喫煙者に対する見を助長する行き過ぎた行為であり、差別であると僕は思う。