自分のペースで、ひとつずつ、ゆっくりと

 数年前のクラス通信。高2向け3月号に書いた原稿が出てきたので、こっそりと公開しますね。もちろん高校生向けです。
 
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  高3になる君へ
   
                                              古田アキノブ
 
 皆さん、いかがお過ごしですか? 
 4月から「高校3年」ですね。これからクラス替えがあったり受験があったり、いろいろ不安も先に立つと思います。
 初めてのことにチャレンジし、前に進むのは、不安がつきものです。でもあなたはいままで何度も「はじめて」を、乗り越えてきたのですね。そして今のあなたがあるわけです。
 
 たとえば言葉をしゃべれるようになったのも、立って歩けるようになったのも、あなたは、そのやりかたを、必要に応じて自然に習得したからです。人によって早い遅いはありますが、あなたは、自分のペースで少しずつ、習得のステップを上がってきたのですね。
 目の前のハードルが高いと、不安に感じます。でも幼子が言葉を学んだときのように、ひとつずつ、ゆっくりと。それは自分の理解できるペースでいいのです。大切なのは、毎日、向き合って、絶えず考えながら反復を続けること。その積み重ねが、あなたを成長させるのです。ふと気がつくと、難しいと感じていたことが、それほどでもなかったことに気づくはずです。
 いけないのは、難しいから「自分にはできない」と決めつけてしまうことです。あきらめてしまうことです。踏み出さないことです。やらないことです。「難しいからできない」ではありません。「やらないからできない」のです。

 高みまで上ると、さらにたくさんの、今まで気づかなかった「さらに難しいこと」が見えるはずです。でもひるむことはありません。そのときあなたは「難しいから楽しい」「難しいからやりがいがある」と思えるメンタルを、きっと獲得していることでしょうから。
 一年間お疲れさま。そして次の一年があなたにとって良い年でありますように。