京大カンニング問題2


 3/4付 読売新聞/社説。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110304-OYT1T00106.htm
予備校生逮捕 入試不正解明し対策に生かせ(3月4日付・読売社説)



 京都大など4大学の入試問題がインターネット掲示板ヤフー知恵袋」に流出した事件で、警察当局は、19歳の男子予備校生を偽計業務妨害の疑いで逮捕した。

 予備校生は調べに対し、「自分一人でやった」「合格したかった」などと話しているという。

 試験中、監視員の目を盗み、携帯電話からどうやって試験問題を投稿し、寄せられた回答を見ていたのか。なぜネット利用の不正を思いついたのか。警察当局には、詳しい経緯や動機について解明を進めてもらいたい。

 ヤフー知恵袋は、質問を投稿すると短時間に複数の回答が寄せられるサイトで、手軽さが人気を呼んでいる。予備校生も以前から利用していたとみられる。

 予備校生は、インターネットや携帯電話の使い方に習熟した世代だ。学力不足を補うためにネットの世界に頼ったのだろうが、まじめに試験と取り組む他の受験生の努力を踏みにじる行為である。

 公正であるべき大学入試制度を根幹から揺るがしかねない。
 ただ、こうしたカンニング行為自体を罰する法律はない。このため、今回は、人をだますなど不正な行為で業務を妨害した場合に適用される刑法の偽計業務妨害罪で捜査が行われている。

 大事なのは、今回の事件を教訓にして、実効性のある再発防止策を講じていくことだ。

 これまでも各大学は、試験中は携帯電話の電源を切り、かばんにしまうよう受験生に指示するなどの対応をとってきた。しかし、今回のようなネットを駆使した不正は想定外だったろう。

 京大などの事件を受け、大学の中には、試験中に携帯を預かったり、電源を切った携帯を机上に置かせたりするところも出てきた。監視の目が届くよう試験会場を小教室に変更する大学もある。

 教室内に妨害電波を出すことで携帯電話を使えなくする通信抑止装置も注目されている。

 2004年に大学入試で携帯電話を使った集団カンニング事件が起きた韓国では、その後、試験会場への携帯電話やデジタルカメラの持ち込みが禁止された。不正が発覚した場合、受験資格停止などの制裁も科される。

 再発を防ぐには、こうした事例も参考になるのではないか。

 情報機器を悪用した入試不正は今後も起きうる。文部科学省は、その前提に立って、幅広い分野の専門家から意見を聞くなど、対策を検討すべきである。
(太字引用者)


 たかだかカンニングごときで大仰なことである。


 「公正であるべき大学入試制度を根幹から揺るがしかねない」「警察当局は・・・・解明を進めてもらいたい」とあるが、オイラに言わせれば、警察も大手マスコミも、明日の週刊文春に掲載予定の「前原・野田・蓮舫3大臣のパーティ券購入と献金疑惑」こそ、解明を進めてもらいたいものである。天木直人氏が自身のブログで、大手マスコミの欺瞞性について、鋭い意見を述べている。http://www.amakiblog.com/archives/2011/03/post_1609.html#trackbacks


 「教室に妨害電波を出すことで携帯電話を使えなくする通信抑止装置」(笑)など使わなくとも、試験監督を厳密にやればいいだけの話。要するに監督が甘かっただけだ。それを、読売新聞は、文部科学省のリソースを大学のカンニング防止に振り向けて「対策を検討」するべきだと宣う。それでいいのか? 他の重要案件より、大学のカンニング防止対策こそが、文部科学省のするべきことなのか?


 大仰に教育問題を煽り、ミスリードして、誌面やニュースを埋め尽くし、政治や経済、国際情勢の本質的問題を意図的に隠蔽するのはヤメにしてください。