枝野氏、20〜30キロ圏内の自主避難を促す 事実上の「避難勧告」

枝野氏、20〜30キロ圏内の自主避難を促す 事実上の「避難勧告」
2011.3.25 15:23 産経ニュース

 枝野幸男官房長官は25日の記者会見で、福島第1原発から半径20〜30キロ圏内で屋内退避する住民の生活維持が物資不足などにより困難となっている状況を踏まえ、自主避難を促す方針を表明した。移動手段や受け入れ施設の確保を最大限支援すると明言。併せて関係機関が避難指示も検討していると述べた。自主避難の促進は事実上の「避難勧告」と言える。

 ただ、枝野氏は放射線量に関し「屋内退避指示を出した時点と比べて新たな段階に入ったわけではない」とし、生活面での不自由さを考慮した判断であることを強調した。


 福島第一原発放射線レベルは、レベル5からレベル6に引き上げられ、スリーマイル島原発事故以上の事故であることが決定的になった。セシウム137の放出は、ガンの発生につながる。チェルノブイリ原発事故から10数年後、1990年代後半の秋田県の乳ガンの突出した増加は、セシウム137と関連がある(肥田舜太郎/鎌仲ひとみ「内部被曝の脅威−原爆から劣化ウラン弾まで」参照)。 低線量内部被曝についてはこちら。「脱原発の日ブログ」http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-10703489022.html


 今回の自主避難は、想定された展開とはいえ、最悪の事態を想像させる。自主避難が避難勧告に切り替わったとき、喫緊の問題は「避難民の発生」である。政府は避難民の生存権ををどう保障するのだろうか? 
 もし避難勧告ゾーンが広がったとき、避難者の数が1〜2万人で収まらなくなったとき、数十万、数百万になったとき、国や行政はどう動くのだろうか?


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