自転車通勤をする


 季節は秋。
 気候がよくなったので、しばらく前から、片道11キロほどの自転車通勤をしている。足が回りはじめると気持ちがいいので、最近は少し遠回りしたりして勤務先へ行く。


 勤務先は市街地にある。そこまでの道は、自転車通勤に向いているとは正直言いがたい。車道優先の道路設計は、この国の社会状況の縮図だと改めて思う。まるで大企業優先の日本の社会制度のようだ。


 たとえば消費税値上げと法人税減税。庶民の論理より、大企業の論理の方を優先する。それはあたかも、道路の幅は限られているのに車道を拡大して、狭くなった歩道に、歩行者と自転車を詰めこんでいる状況とそっくりだ。 


 狭い歩道に歩行者と自転車が混在している状況は、事故の発生につながる。詳しくはリンク先を読んでほしいが、対歩行者だけでなく、なんと対自動車との事故も、歩道走行の方が多いというデータが出ている。


 先進国で自転車の歩道走行を認めている国は日本だけ。「自転車の歩道走行は危ない」日本以外の国では、それが常識。だが、日本の多くの人々には、そんな意識すらない。歩道の危険は「効率」と「排除の論理」が優先する日本社会では放置されたままだ。