アニー



 主人公を黒人に、舞台を1930年代から現代へとおきかえたリメイク版。オイラの頭には、1982年のジョン・ヒューストン版が頭にあるので違和感が先に立つ。アニーと心を通わせる大富豪(ジェイミー・フォックス)が、下品で口から食べ物をふいたり、グローバル化の権化みたいな設定の、薄っぺらな嫌なヤツなので感情移入ができない。また大富豪は市長選に出馬しているという設定だが、対立候補とデッドヒートをしているにしては、ノンビリしていて、やる気があるのかと思ってしまう。


 ミュージカルとしては、曲調の違う「新曲」が何曲か混じっていて、とっても違和感。何より全然本気で踊らないんだよなー(歌は歌うが)。ラストに申しわけ程度の脱力系ダンスあり。


 あとキャメロン・ディアス姐さんの女を捨てた怪演も、ご本人は面白がって好きにやってるんだろうけど、きれいな頃を知ってるだけに痛々しい。要するに、名だたる名優に小手先の芝居をさせてしまうような内容であるということです。