ケム・ナン「源にふれろ」





源にふれろ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

源にふれろ (ハヤカワ・ミステリ文庫)


 読了。いやあ、スゴイや。これぞ青春小説。こういうものを書かないといかんのだなあと実感。単行本では昔買っていたのだが、どうしても見つからなくて、文庫を買った。もちろん再読。

 主人公の視点から描いているのがミソ。まだペーペーの主人公アイクにとって、人生の先輩であるプレストンやハウンド・アダムスはとても謎が多い人物として描かれる。この「アイクからの視点」が、この小説を青春小説たらしめている点だと思う。人間の描写も生きているし、サーフィンなどのライブ感も伝わってくる。主人公の成長も生き生きと描かれている。

 再評価されてほしい本である。