誰か作りませんか?/「100万円以上節約できるテレビ」


 3月に今の家に引っ越して、やっとNHKの人が来た。前にも触れたが、わが家にテレビは設置していない。オイラはテレビを見ない。


 「テレビはありません」「携帯でも見ないのですか」「見ません」「インターネットでも見ないのですか」「見ません」。本当のことを言っても「今時テレビみないヤツなんかいるもんか。嘘つきやがって」といった雰囲気に、後ろめたい気分にさせられる。


 そう言えば、テレビを見なくなったきっかけもNHKだった。あれは何年前だろうか、昔住んでいたアパートにNHKの人が来て、受信料を払ってください、と言われ、「いや見ないんです」と言ったら、「テレビがある世帯には払ってもらうことになっているんです」と言われたので、テレビ受像機を押入れへ入れたのだ。どうしても見たい番組があるときは、実家に戻って見ることにしている。

 
 NHK受信料の徴収システムは理不尽だ。法的根拠は放送法第64条。「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」。テレビを設置したら必ず受信料を払わないといけない、という文言には、民放は見たいがNHKは見たくない、というニーズは考慮されていない。オイラは別に民放を見たいわけではないが、放送局の数がなかった時代ならともかく、この多チャンネル時代に、勝手に電波を送っておいて受信料払えというのは、NHKに都合のよすぎる抱き合わせ商法だろう。


 オイラは思う。NHKだけ映らないテレビがあれば、結構需要があるんじゃないか。技術的には可能だそうだ。ネットを検索すると「売れないので作らない」と書かれていたが、オイラはそうは思わない。矛盾こそビジネスチャンス。需要は掘りおこすことができる。何せ受信料は高い。BS契約なら月に2100円以上取られる。年に約2万5000円、10年で25万、仮に40年払い続けたら100万円だ(!)。NHKだけ映らないテレビなら、合法的に100万円以上節約できるのである。誰か作りませんか?