中国の反日デモに思う



 反日デモが盛り上がっているという。


 日系企業が暴徒に襲われないように、入り口に中華人民共和国の国旗を貼ったりしている写真を見たとき、ああこれは「プロレタリア文化大革命」と同じなんだと直感した。文革の混乱のときは、民衆から襲われないために、博物館などで収集物に毛沢東の肖像などを貼ったのだった。


 そして日本だ。思想・言論の自由が保障されているという建前の日本にも、タブーがある。そしてタブーに触れた発言をする人を攻撃するある種の人たちがいて、それを利用する権力側の人々がいる。その構図は中国とそれほど変わらない。


 そして、天皇制などの問題に触れるときに、指弾されないために「自分は天皇を敬愛している」と、あらかじめ前置きをしてから話しはじめる発言者が、最近増えてきた。こうした話法が広がっていることにオイラは違和感を覚える。目に見えない圧力が強まっているように感じる。


 これもまた、攻撃されないようにするための盾という意味では、毛沢東の肖像と同じだ。自由な言説を標榜しながら、天皇の威を借りるような構えでは、中国を嗤うことはできない。