週刊ダイヤモンド2012年9月15日号「心理入門」プロ麻雀士/小島武夫氏インタビュー



プロ麻雀では心理戦なんてない


 (引用はじまり)
 麻雀は心理戦と誤解されがちだけれど、プロ麻雀では心理戦なんてないよ。「相手の心を読む」のは捨てパイなどから読むのであって、これは技術戦であり、心理戦ではない。
 もし「相手の心を読んでいる」なんて豪語する打ち手がいたら、それはウソ、強がりだね。普段は人の心なんて読めないのに、麻雀のときなら心が読めるなんておかしいでしょ。


 タバコを吸い始める“三味線”(「手が進まない・・・・」といった虚言をつぶやくこと)など、プロ同士では禁止事項なので、そういうことで様子をうかがうこともない。禁止事項になっていない素人同士でも、そんなことすれば察しがつくでしょ。
 じゃあプロは何を考えているかというと、「平常心でいる」こと。頭の中から「勝つぞ」なんて考えを消すことだよ。


 麻雀の最大の的は「焦り」。焦りはミスを誘い、普段なら捨てないパイを捨てたりしてしまう。私もこの年齢になったから無心で打てるようになったけど、50代くらいまでは手が進まなかったり、フリコミしたりすると動揺したので、「落ち着け」「焦るな」と自分に言い聞かせていた。


 あえて心理戦というなら、相手が「焦っているか否か」を判断すること。焦っていれば通常なら捨てないパイを捨てたりするから、こちらも強気で待ったりすることができる。


 麻雀ファンにアドバイスするなら、勝つことばかり考えないこと。
 勝ちを意識し過ぎるから「配パイが悪い」「逆転された」とかで平常心をなくすし、つまらない手で上がろうとする。「楽しもう」と思って打って要る方が上達するし勝てるよ。
 (引用ここまで)


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 上の文章は、週刊ダイヤモンド2012年9月15日号に掲載された、76歳になるプロ麻雀士の小島武夫氏へのインタビュー記事。前に桜井章一氏の本を読んだときにも感じたが、「平常心」でいることの大切さは、日常のあらゆる場面に応用できる(もちろん教育にも演劇にもだ)。


 桜井氏は「正しい麻雀を打て」という。「自分の手を隠そうとしなくてもいい」という。「分からないように打とうとするから、そこでもう負けてしまう。自分の手が、相手に読まれるということは、正しいことをやっているからです」なるほど。オイラもつくづくそうありたいと思う。


 オイラは麻雀をいっさいやらない。やらないがゆえに、雀士の言葉の含蓄には、いつも強く魅了されてしまう。


関連エントリ
■[本/文学]桜井章一中谷彰宏「なぜあの人は強いのか」東洋経済新報社
http://d.hatena.ne.jp/furuta01/20120409/1333927426


週刊 ダイヤモンド 2012年 9/15号 [雑誌]

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