四国高校演劇サミット2015


 何度も書いたことの繰り返しになるがあえて書く。
 オイラが高校演劇に対して抱いてきた違和感は、会場が大きすぎるという点である。コンクールでは間口10間以上、観客席1500席などという大きなホールで開催されることも多い。観客席から舞台までの距離が遠く、後ろの席から役者の表情はほとんど見えない。繊細な表現は伝わらないし、セリフをひとつ伝えるにも独特の工夫が必要だったりする。どうも大きな劇場の方がうまくいかないことの方が多いように思う。こと演劇的表現に関する限り「小は大を兼ねる」である。


 小さい劇場だと観客をさばききれないではないか、そういう声もあるかもしれない。だが地区大会や県大会なら、1000人以上のホールが満員になることなどまずない。全国大会は例外で満員になることも多いが、ならばこういう大会こそ複数の劇場でやるといい。出場校は複数回の上演があってもいい。


 ほんらい表現の内容に合わせて「場」は設定されるべきもの。入れ物に身体を合わせることは、表現の画一化や規格化につながる。それは演劇という表現が多様性に向かうベクトルを殺ぐ。そのことに自覚的になるべきだ。同じようなことを年末の四国大会で審査員をしていた安田雅弘氏も言っていた。


 香川県善通寺市四国学院大学にあるノトススタジオは、演劇のためにしつらえられた空間である。間口5間、観客席100席。絶妙の大きさと言える。息づかいや佇まいといった繊細な情報を伝えることができる。おまけに青年団をはじめプロの劇団も降臨する。優れた演劇を観ることができる。そして高校生もプロと同じ場所に立つことができる。恵まれているとつくづく思う。


 2月8日、今年も高校演劇サミット2015が、このノトススタジオで開催される。オイラの勤務校である城北高も、昨年に続き今年もここで上演する。間口10間の劇場では無残な出来の芝居も、ここなら「演劇」が成立する。秘蹟が行われ、奇跡が起こるかもしれない場所、それがノトスだ。


 ノトスは聖地である。聖地へ行こうぜ。これが合言葉だ。



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四国高校演劇サミット2015


 場所 四国学院大学ノトススタジオ
 日時 2月8日10:00〜


10:00〜10:15 開会行事
10:20〜10:50 観音寺第一高校(香川)「はるよこい」久保静江作(顧問創作)
11:05〜11:50 阿波高校(徳島)「トリコロール」筒井?貴・瓜生田凌矢・橋川由香原案/よしだあきひろ構成(生徒顧問創作)
11:50〜12:30 昼食休憩
12:30〜13:20 高松桜井高校(香川)「トシドンの放課後」上田美和作/高松桜井演劇同好会潤色(既成)
13:35〜14:25 富岡東高校羽ノ浦校(徳島)「ロープ」倉田紗希作(生徒創作)
14:40〜15:25 精華高校(大阪)「さんびきのおおかみ」いやどみ☆こ〜せい作/鳥頭(顧問)三歩潤色(既成)
15:40〜16:25 城北高校(徳島)「そこは、めっきり嘘めいて〜愛しの壁ドン編〜」古田彰信作(顧問創作)
16:30〜17:30 幕が開く-怒涛の評価ぁ〜Z-
17:30〜17:40 閉会行事