陸山会公判 元秘書三人に禁固刑

 メディア・リテラシーの格好の教材。下は徳島新聞2011年7月21日夕刊一面。意図的なのか意図的でないのかはわからないが、3人の秘書が有罪になったと勘違いする人も多いだろう。もちろん有罪判決が出たのではなくて、検察からの求刑が禁固刑というわけ。なーんだ。



 3人の小沢秘書を貶める意図が徳島新聞にあるのかないのかは分からないが、微妙な問題なのだから、もう少し周到に見出しを考えた方がよかったのではと思う。


 小沢裁判は、東京地検特捜部の強引な思いこみ捜査のおかげで、小沢本人どころか元秘書の有罪も危ういとのもっぱらの噂。自分の栄達のために、捜査を進めた中心人物、大鶴基成・最高検公判部長は、8月に退官するとのことだし、小沢氏に対する「敗北」の責任を取らされる形で、主だった幹部は一斉に左遷らしい。


 東京地検特捜部の問題にはまったく触れず、あげくの果てに元秘書3人を犯罪者呼ばわり。これでは何のための新聞か。オイラは新聞をいっさい購読していない。

週刊現代2011年7月30日号「幹部を一斉に左遷/東京地検特捜部 小沢に「敗北」で粛清の嵐」


 「小沢一郎・元民主党代表の捜査を中心になって推進した大鶴基成・最高検公判部長は、8月に退官して弁護士になると言われています。当時の東京地検検事正・岩村修二氏は、現在仙台高検検事長ですが、これも更迭人事と言われている。粛清の嵐が吹き荒れています」(検察関係者)


 “最強の捜査機関”と畏怖された、東京地検特捜部に激震が走っている。原因は、大阪地裁の前田恒彦元検事による証拠改竄事件(懲役1年6カ月の実刑確定)などの不祥事に加え、小沢氏に対する「敗北」だ。


 「小沢裁判で特捜部が証拠請求した供述調書38通のうち、12通が東京地裁で却下されてしまいました。このままでは小沢氏本人はもちろん、元秘書らの有罪すら危ぶまれる状況です」(民放局司法担当記者)


 検察上層部の怒りの矛先は、小沢捜査に失敗した特捜部へと向いている。
 「小沢氏を取り調べた木村匡良地検主任検事は昨年10月、東京地検立川支部に異動。佐久間達哉前特捜部長も、大津地検検事正に転出しています。岩村氏は将来の検事総長候補でしたが、大鶴氏と二人で「小沢を起訴できる」などと誤った情報を報告したといて、首脳陣の逆鱗に触れた。岩村氏は、8月に名古屋高検あたりに異動させられ、そこで退官でしょう」(同)


 「「特捜」崩壊」の著書がある産経新聞記者の石塚健司氏はこう語る。
 「最近の特捜部は、独自捜査どころか、国税庁証券取引等監視委員会からの告発案件すら、きちんと捜査できない。脱税事件などの捜査体制を拡充し、原点に帰って捜査能力のある検事を育てるしかないでしょう」
 地に墜ちた信用を取り戻すのは容易ではない。


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 大鶴基成検事が弁護士に転身 !?
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