「大津中2自殺」を後追いで報道するメディア」



 昨年10月に起こった中学生の自殺が、今改めて取り上げられ、集中的な報道が行われている。この件についてのオイラの考えは、こちらの記事の主張と重なる「「大津中2自殺」を後追いで報道するメディア」(谷川茂)。「いじめと自殺の関連性が疑われる問題について、自らはまともな調査や取材をせずに半年以上も放置しておきながら、今になって外部からの情報に基づき、「自分は正義だ」と言わんばかりに報じ続けている(谷川茂)」メディアには、強い違和感を覚える。


 今回の自殺にはいじめが関連しているのではないかということは、昨年の時点で推測されていたこと。谷川氏も指摘しているが、マスコミは、昨年のうちに「いじめがあった」と書かれたアンケート結果を入手し、分析し、実態を明らかにすることもできたはずである。自殺した子どもの両親が手に入れることのできたアンケートを、メディアが入手できないはずがない。何と9ケ月遅れの後追い報道を、鬼の首を取ったかのように行うメディアのデリカシーのなさには、首をひねらざるを得ない。


 加えてネットで加害生徒のプライバシーが明らかにされたり、市教委と中学校に爆破予告が届けられたりといった「祭り=2次被害」が起こっている。自分のことを差し置いて、安全な場所から人を悪しざまに非難するという態度が日本に広がった責任の一端もまた、マスメディアにある。