第12回とくしま小中高演劇フェスティバル/城北高「またあしたっ」御礼



 関係の皆様にはご心配をおかけして申しわけありませんでした。無事上演を終了することができました。厚く御礼申し上げます。


 電力需要が逼迫の折、四国電力の判断で当日突然の閉館もありうる状況での開催となり、ひやひやしながらの準備でした。芝居の方も、例年より3週間近い開催であること、おまけに10日前の主役のキャストチェンジ、オイラが手を入れたのは実質3日間という状況での上演で、傍から見れば無謀な綱渡りに見えたと思います。しかし、部員は力を出し、必ずや「芝居をやりとげる」ことができるだろうと確信しておりました。


 それは無根拠な自信でもなければ願望でもありませんでした。常識や自分に縛られている高校生を、解きほぐしてやることが、芝居を立ち上げるための必要条件である、そう信じて行ってきた営みの結果だと思っております。演劇の指導は「型に入れる」のではなく「解放する」ものでなければならない、役者がリラックスして、感情開放を十分に行い、無欲で、いま-ここに「いる」ことを「楽しむ」。そんな「構え」さえできれば、うまいへたは関係なく、芝居は生き生きと輝きはじめます。「うまく演じよう」「失敗をしないようにしよう」という意識にとらわれている役者をほぐしていくことがむしろ大切なのだとオイラは改めて実感しました。


 稽古のときはうまくできなかったことが、本番ではうまくやれていたことがたくさんありました。はじめて「演じることが楽しい」と、初舞台の役者の一人は言いました。本番と通し稽古は別物です。観客がそこにいることで芝居は完成します。今回は、好意的な観客が役者をうまく乗せてくれました。観客がそこにいることの意味を、役者は実感することができたのではないかと思います。


 もちろん課題はたくさんあります。しかし、本番を通じて、演劇の機能のピュアな部分を、ストレートに感じることができました。それは大きな大きな成果だと思っております。ヨンデンプラザで皆様に芝居を通じてお会いすることができたからこそ、得られた大切な実感です。私たちは、これらの宝物を今後の糧にして、稽古に熱を入れていこうと思っております。本当にありがとうございました。