2012年12月18日付朝日新聞記事「たね蒔きジャーナル 他局で後継番組開始」




 「ラジオ・フォーラム」と呼ばれる新番組が,FM「ラヂオきしわだ」で2013年1月12日から放送開始となる(毎週土曜)。この番組は、2012年9月に打ち切りとなった報道ラジオ番組「たね蒔きジャーナル」の精神を受け継ぐ番組。この番組の実現には、「たね蒔きジャーナル」の終了を惜しむ人たちが作った「すきすきたねまきの会」で集められた寄付が生かされたとのこと。 初回は京都大学原子力実験所の小出裕章助教が出演する予定。ラジオはインターネットから聞ける。ラジオきしわだのURLはこちら。http://www.radiokishiwada.jp/simul/index.html


 ご存じの方も多いと思うが、たね蒔きジャーナルは、ラジオ報道が制作する報道番組として、異彩を放った番組だった。とくに東日本大震災に際し、京都大学原子力実験所の小出裕章助教を、事件当初から毎日のように出演させるなど、原発事故の真実を伝えつづけ、リスナーの支持を得た。ところが2012年秋の番組改編で当番組は終了となった。


 内情について、MBSの幹部の一人はこう解説した。
 「関西電力からの圧力と言いますが、そうではない。MBS関西電力の立場を勝手に慮って、小出氏という反原発の旗頭のような人の声をずっと流すと困るだろうと判断。だが、小出氏だけを番組から外すと体面が悪い。なら、番組を打ち切ればとなったようです。その奥には、いずれ関西電力からたくさん広告がもらえればという、商魂もゼロではないですがね」※1


 10月からはじまった後番組『with…夜はラジオと決めてます』では、報道企画も残されているが、番組開始からこの2012年12月14日まで、小出裕章助教の出演は3カ月間なかった(12月14日に出演)。だから、いろいろな人の尽力で今回の番組開始発表にこぎつけたことは、とても喜ばしいことだとオイラは思っている。


 「メディアはプライベートカンパニーですからお金儲けをしていいし、組織存続のためにビジネスをするのは当然です。しかし、ジャーナリズムは損得ではなく、会社がつぶれるか云々ではなく、ジャーナリズムのルールを守らなければならない。視聴者や読者の信頼を勝ち取るためには、ジャーナリズムの法則を上位に位置づけなければならない。両者(メディア・ジャーナリズム)の志向は相反します。当然、矛盾が起こる。その矛盾のなかで何をすべきを上位には考えなければならない(※2/122ページ)」


※1/創2012年11月号「「たね蒔きジャーナル」打ち切りに至る舞台裏」
※2/森達也上杉隆「誰がこの国を壊すのか」(ビジネス社)における上杉隆の発言」


 関連エントリ


■[本/文学]小出裕章放射能汚染の現実を超えて
       http://d.hatena.ne.jp/furuta01/20110526/1306354684
■[その他]平成23年8月22日 京大原子炉実験所 小出裕章たね蒔きジャーナル
       http://d.hatena.ne.jp/furuta01/20110823/1314310486
■[教育]小出裕章氏講演「原子力の専門家が原子力に反対するわけ」2011.3.20(日)於アクティブやないhttp://d.hatena.ne.jp/furuta01/20110606/1307373023
■[教育]小出裕章氏講演「原子力の専門家が原子力に反対するわけ」2011.3.20(日)於アクティブやない 第2回http://d.hatena.ne.jp/furuta01/20110607/1307373023
■[教育]小出裕章氏講演「原子力の専門家が原子力に反対するわけ」2011.3.20(日)於アクティブやない 第3回http://d.hatena.ne.jp/furuta01/20110608/1307827750
■[教育]小出裕章氏講演「原子力の専門家が原子力に反対するわけ」2011.3.20(日)於アクティブやない 第4回http://d.hatena.ne.jp/furuta01/20110609/1307830916
■[教育]小出裕章氏講演「原子力の専門家が原子力に反対するわけ」2011.3.20(日)於アクティブやない 第5回http://d.hatena.ne.jp/furuta01/20110610/1307835282
■[教育]小出裕章氏講演「原子力の専門家が原子力に反対するわけ」2011.3.20(日)於アクティブやない 第6回http://d.hatena.ne.jp/furuta01/20110611/1307847138
■[教育]勤務校での人権集会「原発を考える」
           http://d.hatena.ne.jp/furuta01/20110616/1308193264