第37回四国地区高等学校演劇研究大会



 いよいよ高校演劇の四国大会まで数日(12月26日〜27日、於徳島県郷土文化会館)。地元開催とあって、本来ならオイラもいろいろ盛り上げたりお手伝いしたいところなのだが、今は現場を離れている身なのでままならない。ただ昨年度まで四国高校演劇協議会の事務局長をやっていた関係で作成した「四国高演協だより2011」の普及版を置かせてもらうことになっている。


 四国ブロックは他ブロックと比べて加盟校がタントツに少ないので、事務局予算がない。全国の会議にすら出張しかねているのが実情。だからカネより手間。手作業で編集・印刷・製本である。印刷やレイアウト、ホッチキスの止め方まで、いろいろと気の遠くなるような試行錯誤を繰り返し、家人を動員して(!)何とか完成した。今時こんなことをやっている事務局がどこにあると我ながら思うが、ノウハウの伝承という意味で、冊子として各演劇部の部室の本棚に残しておくことに意味がある、ネットだけではダメだと確信しているので作っているのである。


 手作りだが内容はメチャ濃い。これだけは保証できる。なんと一昨年度は鴻上尚史氏、昨年度は内藤裕敬氏という、日本の演劇界の先頭を走るプロフェッショナルの方の演劇観がたっぷり。それも実際の上演に即して具体的に書かれたものが掲載されているのである。他にも各県からの審査員の錚々たる方々、浅香寿穂、徳永晴樹、岡本武彦、山内一昭各氏の講評文、そして各上演校からの感想・意見。高校生の素朴な感想から、審査に反撃し物言う顧問の筆鋒鋭い意見まで、昨年度は総ページ数73ページ! 昨年度の大会のリアルな息づかいが感じられる。こんな豪華な手刷りのミニマムペーパーは、日本全国探しても「ない」とオイラは勝手に断言する。しかも正式版は角背だぜ! 参ったか!


 だが家内工業ゆえの悲哀、夜なべ仕事をしても、正式なものは小部数しか作成できない。4月に各県事務局を通じて加盟校や関係者の方々に送らせてもらっているが、各校最低部数しか送れなかった。だが「四国高演協だより」の発行の目的は、四国大会の審査の詳細を一般に公表することにあるから、本来なら加盟校だけでなく、できるだけ多く配布する方が望ましい。よって普及版なのである。普及版は、紙はザラ紙で丸綴じ。いかにも簡易版だが、内容的には正式版とまったく同じ。大会期間中、会場のロビーに置かせてもらい、一般の方に自由に取っていただくことになっている。部数限定なのでお早めにどうぞ。鴻上尚史氏の原稿の載ったバックナンバー「2010」も在庫あります。


 そして今回も、城北高校の演劇部顧問の杜先生と高校生の皆さんに印刷・製本を手伝っていただきました。厚く御礼申し上げます。


 あと、今年5月に行なわれた、第26回高知県高等学校演劇祭の講評集も印刷・製本して配布される。結城翼こと山内一昭先生の講評文の他、各校の生徒講評委員の方の講評文、それから不肖オイラの拙い講評文も掲載されている。山内先生は、いつもご自身の立ち位置を明らかにし、演劇愛あふれる長文で丁寧な講評文を書かれる方。今の四国ブロックの講評文が、詳細なものが主流になっているのも、山内先生のスピリットが他の審査員の方に伝播したものとオイラは思っている。オイラも感化され、オイラの演劇観を出し惜しみせず総動員して長文の講評文を書いております。ぜひお取りください。


 両冊子とも、大会に参加できない方で欲しい方がございましたら、送料実費でお送りいたします。フルタまで連絡を(アドレスはプロフィル欄にあります)。


 大会日程はコチラ
 http://d.hatena.ne.jp/furuta01/20121205/1354831207