「駆け込み退職は無責任」となじる前に


 久しぶりに地元の地方紙である徳島新聞に投書した。


 退職金減額にともなう教員の駆け込み退職について、「教員は批判を受けて当たり前」という趣旨の投書がいくつか掲載されていたのを読んだからだ。徳島新聞は県内普及率が全国一高く、80%を越えており、県内では影響力が高い。教員に対してステロタイプで無理解な意見が幅をきかせるのは、困ったものだと思い、腰をあげた次第。


 500字以内ということなので、言いたいことの十分の一くらいしか言えていない。なお、オイラは新聞を定期購読していないので、情報は、いつもコメントをくれるmcintoshさんのブログから入手した。ありがとうございました。


 以下、その原稿です。


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 「早期退職は無責任」となじる前に
    (徳島市、古田彰信・51歳・教員)


 公務員、とくに教員の駆け込み退職が問題になっている。だが本県で昨年12月に退職した公立学校教員は7名。県内の教職員数は約1万人弱なので、微々たる数と言ってもいいのではないか。


 退職予定者中に占める12月退職者の割合は、4・5%である。残りの95.5%の教員は、退職金が約150万減額されるにもかかわらず、3月末まで勤務する。


 YAHOOによるネット意識調査で、一般の人々に「あなたが教員なら駆け込み退職するか?」とたずねたところ、「退職金が減るのは嫌なので、早期退職する」と答えた人は、55%だった。「最後まで生徒の面倒を見る」と答えた人は、40%にすぎなかった。


 こうした世間の常識とは逆に、本県では95%以上の教員が、経済合理性を脇において、馬鹿正直に職責をまっとうしようとしているのである。


 150万と言えば、車一台買えるほどの金額。その犠牲のおかげで現場の混乱はほとんどないのだから、多くの退職予定者の姿勢を、まずは素直に評価しておいた方がよろしかろうと思う。