「パンダ外交」家永真幸
- 作者: 家永真幸
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- 発売日: 2011/02/28
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手軽に読める。わかりやすい。パンダにまつわる外交史が概覧できる。とても真面目な入門書。著者の家永真幸氏は、教科書裁判で有名な家永一郎氏のお孫さん。
パンダが中国政府によって政治的に利用されてきたことは有名な話。読む前は右寄りの内容かと思ったがそうではなかった。19世紀、日中戦争期、冷戦期、70年代、80年代、いろいろな時期のパンダにまつわる中国と欧米日のかかわりを、丁寧に追っている。対中関係についてのスタンスも中立的で理性的に思えた。
パンダはいらないと言うが
尖閣問題などのせいもあって、中国は強欲だ、パンダなんかいらない、という意見も多く聞く。確かにパンダは高い。レンタル料は1ペア年間約8300万円だそうだ。こちらのサイトには、パンダのレンタル料や死亡の際の賠償金が整理されて掲載されているので参考になる。(「お金と経済のいろいろ」http://money.smart-ness.net/674.html)
しかし、パンダを欲しがっている人たちも実は日本に多い。「パンダを見たい人々、客を集めたい動物園、繁殖研究を進めたい動物学者、大衆の支持を失いたくない都知事、外交上の成果をアピールしたい総理大臣──」(198頁)現に王子動物園(神戸)では入場者が倍増したという。逆にパンダが死んだ2008年の上野動物園では、入場者が2割減った。パンダの威光はかくもスゴイ。
そういえば、オイラが高校のとき、修学旅行で上野動物園にパンダを見にいった。今から30年以上前の話。今考えると、東京自由行動でなぜパンダなんか見に行ったのか理解に苦しむが、とにかく当時は話題だったのだ。ちょうど金曜日。その日はなんと週に一度のパンダの見られない日。仕方なくそれ以外の動物を見て帰った覚えがある。オイラ何をしに行ったのかな。
パンダは中国の「国宝」
しかし、昔からパンダに価値があったわけではない。それは、この書を読むとよくわかる。中国は、パンダを大切にし、その価値を高めてきたのである。たとえば、1994年に刊行された中日辞典「中国語大辞典」によると、「国宝」の項目に、1国宝 2国幣の旧称、3パンダの異称 4人間国宝的な人物、と記載されているそうだ(166頁)。中国人にとってパンダは「国宝」。単なる可愛らしい動物というだけではなく、対中感情をやわらげ、ビジネスとしても利益をあげ、パンダ保護に力を入れることで、野生動物の保護の観点から、国家イメージを改善することに役だっているのである。
一方、日本はどうか。国際的にも通用する文化的資源を育てているだろうか。そういう意味で、中国から学ぶことも多いとオイラは思う。
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日本で最初にパンダを取り上げた映画はこれ。日本最初の総天然色アニメーション。1958年。
輸出向けに東洋独自の動物キャラクターを出したかったからだ、という。
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これも有名。1972年、一作目はパンダが中国から上野動物園に贈られたときに作られた。高畑勲・宮崎駿・小田部羊一のオリジナル作品。
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言わずもがなの一本。
和歌山のアドベンチャーワールドには、現在8頭のパンダがいる。中国以外では世界最大。アドベンチャーワールドでは、パンダで集客をおこなっているが、パンダよりイルカのショーの方が、オイラはワクワクする。パンダはあまり活動的じゃないんだもん。イルカのショーには大人げなくちょっと感動。
しかし、日本はイルカを殺している、と抗議の声。http://www.seashepherd.org/japan/外交的戦略を考えるべき。