週刊FRIDAY・2012年1月6日・13日合併号「世界の指導者12人が愛する腕時計」


FRIDAY フライデー 2012年1月6-13日号


 週刊FRIDAYは写真週刊誌らしく、世界の指導者がどんな時計を身に着けているかを、要人写真から明らかにするという特集記事を組んでいた。それぞれ身につけている時計の名称と価格は次の通り。


1位 ドミトリー・メドベージェフ(ロシア大統領) 
   グラスヒュッテ・オリジナル・パノマチック・ヴェニュー・プラチナ 
   ¥4,500,000
2位 ニコラ・サルコジ(フランス大統領)
   ジラールぺルゴ1996・アニュアルカレンダー&イクエーションタイム
   ¥3,570,000
3位 アブドウッラー(サウジアラビア国王
   ジャケドロー・グランセコンドSW 
   ¥1,500,000
4位 ウラジミール・プーチン(ロシア首相)
   ブランパン・アクアラング 
   ¥1,000,000
5位 カルロス・スリム・ヘル(メキシコ・実業家) 
   ロレックス・コスモグラフ・デイトナ 
   ¥950,000
6位 ビル・クリントンアメリカ元大統領)
   ジャガールクルト・マスター・コンプレッサー・ネイビーシールズ 
   ¥800,000
7位 ウィリアム王子(英・ケンブリッジ公爵) 
   オメガ・シーマスター 
   ¥367,500
8位 習近平(中国国家副主席)
   オメガ・コンステレーション 
   ¥200,000
8位 枝野幸男(日本国経済産業省) 
   タグ・ホイヤー・アクアレーサ 
   ¥200,000
10位 野田佳彦(日本国首相)
   ダンヒルロンディニウム
   ¥100,000
11位 バラク・オバマアメリカ大統領)
   プレジデント・ウォッチ 
   ¥39,900
別格 チャールズ皇太子(英・ウェールズ大公)
   オメガ・コンステレーション・18KYG・1960〜1970年代ヴィンテージ
   価格判定不能


 世界に対する影響力からすると、オバマは意外と安い。反対に、メドベージェフは450万。プーチンも100万。ロシアの政治家は、高級時計マニアである。そういえば週刊エコノミスト2012年1月3・10日合併号に掲載された「プーチンの大統領復帰前に批判続出」袴田茂樹という記事に、こんな内容があった。


 (以下要約)2012年春に行われる大統領選に出馬を表明しているウラジミール・プーチン。他に有力候補はなく、大統領復帰は確実とのこと。しかし、この12月、過去20年では最大規模と言える数万人の政府批判デモが起き、「プーチンなきロシアを」「統一ロシア(与党)はペテン師と盗人の党」といったスローガンが掲げられた。また11月には、モスクワにおける格闘技国際大会でロシア選手が勝利したとき、プーチンがリングに上がると2万数千人の会場からブーイングや口笛が沸き起こった。


 こうしたプーチン批判の背景として、記事は3点あげている。第一に、メドベージェフとの2度目のタンデム(2頭)政権交代劇。国民の多くは国民や選挙制度に対する愚弄ととらえ、「ロシアの有権者は2人か?」という者もいる。
 第2は汚職の蔓延。この10年、ガス・石油マネーで経済は潤ったが、腐敗・汚職アラブ諸国よりひどくなった。
 第3は経済・生活面での閉塞感とストレス。世論調査によると、最近生活がよくなったという人ははわずか17%,変わらないあるいは悪化したという人は82%。オイルマネーで貧富の差は極大化し、国民の大部分がストレスを感じている。


 国民が汚職に対して敏感になっているときに、超高級時計なんぞにうつつを抜かしているわけにはいかない。そのことをプーチンやメドベージェフはどう考えているのだろうか。