「徳島人」2013年2月号「シネマ全盛期をふりかえる」



 「徳島人」は、オイラの住む地域で発売されているタウン誌。「かつて徳島には映画館が50館以上もあった」という記事のタイトルにひかれて購入。50館以上あったのはいつの時代かというと、昭和30年代という。最盛期は昭和34年。ちょうど皇太子成婚の年で、それがきっかけで一気にテレビが普及、以降映画館は徐々に減っていったという。


 2013年現在、徳島県の常設映画館は、シネコンシネマサンシャイン北島とユーフォーテーブルシネマ、あとは不定期上映をおこなう徳島ホールを入れれば3館のみ。オイラが調べた1977年の常設映画館は20館。ちょっと記事が錯綜していてはっきりしないのだが、昭和40年頃の徳島の常設映画館として挙げられている映画館が53館。まさに当時が映画の黄金時代であったことが分かる。


 なお、本記事は、西口泰助さんという、鳴門市瀬戸町に「キネマ・ミュージアム」を開設していらっしゃる方の資料提供・協力にもとづくとのこと。ローカルな一般大衆の生活文化は、残そうとする強い意思を持つ人がいないと意外と残らない。貴重な資料だと思います。


 昭和40年ごろの徳島の常設映画館(同記事より)


 徳島市  テアトル丸新
      日活徳島会館
      徳島東映
      徳島大映
      徳島東宝
      松竹歌舞伎座
      OSグランド
      両国館
      新町劇場
      平和劇場
      かぶと劇場
      福島東映
      城南劇場
      津田映劇
      名画座
      松映
      徳島ホール
 小松島市 南海座
      新劇
      小松島第一
      港東映
      坂野劇場
      和田島劇場
 鳴門市  かぶと東映
      朝日座
      鳴門セントラル
 阿南市  兄弟座
      富岡松竹
      寿座
      富岡映劇
      橘劇場
      阿南ヒカリ座
 那賀郡  和食座
      羽ノ浦映劇
      延野会館
      木頭会館
      木沢会館
      中島シネマ
 海部郡  三岐町劇場
      日和佐劇場
      中央劇場
      鞆奥映劇
      海南座
 板野郡  板野劇場
      喜楽座
      キリン館
      昭和座
 麻植郡  鴨島東宝
 美馬郡  脇町会館
      脇町劇場
      半田会館
 三好郡  池田館
      春日座


 あと別記事だが、「ディープ自販機探訪」というページで触れられていた、「幻のボンカレー自販機」には心底驚いた。「コインスナック御所24」(阿波市土成町吉田原田市1−76−2)に設置されているとのことだが、かつてのCMキャラクターである笑福亭仁鶴師匠の写真が飾られたそのレトロな外見もさることながら、何と管理者の方が毎日米を8合炊いて、カレーパックと一緒に包装して自販機に入れて販売しているという。これは一度行ってみなければ。