高校生向け「人権作文の書き方ガイド」


 いよいよ夏休み。そう言えば人権作文が宿題です。
 「面倒だな」「どうしよう」と悩む人のために、アドバイスを少し。参考になれば幸いです。


 Q.題材がみつかりません。
 A.みなさんが経験したことを題材にしましょう。


 ホームルーム活動で心に残ったこと、家族や友達のこと、差別に出会ったこと、ボランティアでの交流など、具体的な題材は、あなたの身の回りにあります。自分の実感に基づいて書きましょう。飾らない言葉でいいのです。
 人権教育資料集などを参考にしましょう。毎日のニュースなどに気を配りましょう。家族や友達と話をしてみましょう。行動しましょう。アンテナを広く張って、題材を探しましょう。


 Q.実体験もなければ、身の回りに差別などありません。どうしたらいいですか。
 A.見落としていませんか?


 人が生きている限り、差別が全くない、などということはあり得ません。何気ない会話の中にも、きっと考えるヒントがあります。ひょっとしたら、あなたが気づいてないだけかもしれません。「常識だ」「当たり前だ」と思っていることがらや、何でもない心の動きの中にこそ、作文のヒントが隠れているのです。


 Q.作文を書くうえで、気をつけることは何ですか?
 A.「差別はいけない」という結論は避けましょう。


 「差別はいけない」ことなら、小学生でも知っています。当たり前のことを書いても、人の心は捉えられません。
 世界は多面的で複雑です。どうとらえるかによって、まったく違う姿が見えます。あなたの視点は、あなただけのものです。自分の感性を大切にして、あなたでしか書けないことを書くべきです。
 立派なことを書く必要などありません。変にきれいにまとめなくてもいいです。じっさいに考えたことを、あなたの素直な言葉で綴りましょう。


 せっかくの考える機会です。「こんなもんだろう」と「こなす」のではなく、「ぼんやりした大人」にならないためのトレーニングだと思って、人の心を揺さぶる内容を目指して下さい。健闘を期待しています。