映画秘宝2012年3月号「2011年度ベスト&トホホ10」


映画秘宝 2012年 03月号 [雑誌]

映画秘宝 2012年 03月号 [雑誌]


 日本でもっともピュアで硬派でボンクラで大人な映画雑誌である「映画秘宝」、恒例のベスト&トホホ10。キネ旬のベストテンより、ある意味「まとも」。栄えある一位は「ピラニア3D」! こういうメディアを持ち得たことを、映画文化の成熟と言わずして、何を成熟と言おう。


映画秘宝2011年度ベスト


1位 ピラニア3D
2位 宇宙人ポール
3位 猿の惑星:創世記ジェネシス
4位 X-MEN:ファースト・ジェネレーション
5位 冷たい熱帯魚
6位 ブラック・スワン
7位 電人ザボーガー
8位 ソーシャル・ネットワーク
9位 アジョシ
10位 監督失格


映画秘宝2011年度トホホ(2011年度 HIHOはくさいアワード)


1位 SUPER8/スーパーエイト
2位 エンジェル ウォーズ
3位 世界侵略:ロサンゼルス決戦
4位 ワイルド7
5位 モンスターズ/地球外生命体
6位 スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団
7位 カウボーイ&エイリアン
   タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密
9位 スカイライン-征服-
   ツーリスト
   ハンナ
   わさお
   一命


 2011年キネマ旬報ベストテンは、こちら。
 http://d.hatena.ne.jp/furuta01/20120116


1/27追記:


 読んだ。ベストの総評にこうあった。「いかに本誌選者たちが日常を映画によって破壊したいのか、その願望が浮き出た結論と言える」「東日本大震災と言う究極の体験をした以上、安易な「お話映画」なんてもう見るに値しないのだ」結局そういうことなのだろう。現実がフィクションを凌駕してしまっている。そこで映画は何ができるかということなのだと思う。

総評
 人食い魚、宇宙人、超能力者、ザボーガー、殺人鬼…映画のアバウトな括りに「人間ドラマ」というものがあるけれど、見事にそれに背を向けたベストテン結果となった。
 11位以下を眺めてみても、キツネ、怪獣、ムカデ人間、吸血少女に変形ロボット軍団とやっぱりジンガイだらけである。人間が出てきても、韓国の凶悪な男や童貞、IT長者、林由美香(というより平野勝之)といった特殊なジャンルに振り分けられる異貌の人々にまつわる映画ばかりなので、いかに本誌選者たちが日常を映画によって破壊したいのか、その願望が浮き出た結論と言える。
 東日本大震災と言う究極の体験をした以上、安易な「お話映画」なんてもう見るに値しないのだ。