「もらう」ではなく「受け取る」年金


 HP「Walk in the Spirit」2/28付でも触れられていたが、「年金をもらう」という表現は正確ではない。吉田繁治「国家破産」にもあるように、年金基金の金融資産は、政府所有ではなく世帯所有の金融資産。政府は、国民から預かって管理しているだけだ。「もらう」というと、年金を政府から「出してもらっている」というニュアンスがつきまとう。年金基金は、私たちの金である。
 下は日銀の発表しているわが国の金循環表(2011年3月末残)。



 政府を監視し、年金制度に対するよりよい運用を求めていくためにも、「もらう」ではなく、年金を「受け取る」というべきである。

国家破産・これから世界で起きること、ただちに日本がすべきこと

国家破産・これから世界で起きること、ただちに日本がすべきこと


 (以下引用−)
 政府部門(国、自治体、特別行政法人)は、金融資産として、485兆円の持ち手とみなされています。みなされていますという理由は、公的年金である厚生年金、公務員年金、国民年金基金は、日銀の資金循環表では、政府所有の金融資産とみなされていますが、本来は世帯が所有者であって、国家機構のものではないからです。税金からの補助をしているので、国家のものと考えているのでしょうか。


 公的年金で国家が支払いを約束している将来負債は、日米共通に、とても払えるものではありませんが、資金循環表には入っていません。将来の年金だけからみても、国家財政は破産していて、インフレ、債務不履行、あるいは支給年齢を65歳、70歳、75歳と上げてゆく支払延期しかない。我が国の、公的年金の将来負債は、800兆円もあります。これがいま生きている人に支払わなければならない年金の総額です。現在1年間に支払われている年金は約40兆円ですから、20年で支払必要額は800兆円になります。これだけをみても、日米欧の政府財政は、順次ギリシャ化し、破産に向かうことがわかるでしょう。


 行政機構(政府と独立行政法人)は、国民から預かって管理しているにすぎないのですが、所有と考えているのでしょう。官僚機構は、国民の資産(年金基金等)を管理していることを、自分が所有していると勘違いすることが多い。銀行が、負債である預金を、自分が使える資産と勘違いするのと同じです。(313ページ)