中野雅至「公務員だけの秘密のサバイバル術」中公新書ラクレ


公務員だけの秘密のサバイバル術 (中公新書ラクレ)

公務員だけの秘密のサバイバル術 (中公新書ラクレ)


 公務員ライフをやりがいある毎日にするためには、どんなことに気をつければいいか、仔細に書かれていて、実践的で役に立つ。「役所を辞めてはいけない」「出世をめざせ」「ゴマすり力を磨け」「外部と頻繁に接触しよう」「公務員が大学教授になる方法」「50歳でキャリア・チェンジ」等など面白く読んだ。


 公務員を取り巻く環境は厳しい。「財政破綻の恐怖、増税の可能性、公務員制度改革に加えてバッシング(227ページ)」そんななか、「公務員だからと言って油断せず、どうやればサバイバルできるかを真剣に考え、そのための対策を全力で行うべきだ(228ページ)」と筆者は言う。企業が倒産したらその社員が困るのと同じように、国家財政破綻が起こったら、公務員は真っ先に首を切られる。そうした自覚を公務員諸氏は持ち、来るべき日に備えるべきだ、と言うのである。


 実はこの本、3か月以上前に読み終わっていたのだが、どんな感想を書いたらいいのか、ずっと途方に暮れていた。オイラも教育公務員。公務員バッシングは、わが身に向けられた刃である。不用意に能天気な感想を書きつらねて「公務員の秘密のサバイバル術? そんなふざけた術は許さない」などと、見知らぬ人々に思われるのは心外だ。もちろん本書の内容はいたってまじめで良識的と書いておこう。いやこれは嘘でもなんでもなく(汗)。