教育畑の保守的な政治家たち


 杉並区の区会議員、田中ゆうたろうという人のブログが炎上している。区役所前で保育所の不足を訴える母親たちを批判して「最初から子育てを社会に押し付けるな」とブログに書いたのだ。詳細はコチラ→http://blog.tanakayutaro.net/article/62737267.html。一面的に決めつける物言いは、子育てで苦悩する家庭に対する共感のなさと無理解の表われに思え、ツッコミどころ満載で、読みながらため息が出た。


 この人のブログの1月15日のエントリには、親学推進協会理事長の高橋史朗明星大教授について「心から尊敬する教授」との記述が。ああ、ここにも親学推進協会の影。親学は、保守的政治家には信奉者が多く、政府の教育政策に大きな影響を与えている。親学推進議員連盟という超党派議員連盟もあるくらいだ(ちなみに会長は安倍晋三総理、事務局長は下村博文文部科学大臣)。しかし親学には、「戦前教育のノスタルジーに過ぎない」「「親学アドバイザー」資格の集金システム」「伝統的子育てで発達傷害は予防できるというのは非科学的」等の批判も多い。


 そういえば現文部科学大臣下村博文氏も、2012年5月ブログで発達障害について無理解な発言をして、医師や発達障害の子を持つ親などから強く抗議を受けた。尖閣問題などに熱心な教育畑の「保守」政治家の方々には、社会的弱者に対する共感力の薄い方々が見られる。「「保守的」な価値観の本質は、強者の論理であり、他者への共感の欠如なのだ」と言ったのは、精神科医民主党国会議員を2期務めた水島広子氏。まさにオイラはその言葉を実感する。「「保守的」な教育をしてしまうと、ますます他者に共感できない人を育ててしまう」その危惧はオイラの思うところと重なる。



 水島広子氏は、国会議員を務めたときに、政治家たちを間近で見て、「自己愛パーソナリティ」を強く持つ人が多いことに気づいたという。自己愛パーソナリティとは、自分が特別だという感覚が強く、他人の気持ちや事情などに関心が薄い傾向の性格のこと。これが昂進すると「自己愛性人格障害」と診断されるそうだ。診断基準は、次の9項目のうち、5項目を満たすこと、とのこと。あなたはどうだろうか?


 1.自分は重要な人間だという誇大な感覚を持っている。
 2.限りない成功や権力などの空想にひたっている。
 3.自分が「特別」である、独特であり、特別な人たちにしか理解されないとか、特別な人達と関係があるべきだと信じている。
 4.過剰な称賛を求める。ちょっとしたことで傷つきやすい。常に注目されちやほやされていないと気がすまない。
 5.特権意識を持っている。自分は特別に有利な計らいを受けて当たり前だと思ったり、周りの人は自分の期待に従うのが当然だと思ったりしている。
 6.自分自身の目的を達成するために、他人を不当に利用する。
 7.他人への共感が欠けている。他人の気持ちや欲求に気づこうとしなかったり、認めようとしなかったりする。
 8.嫉妬ぶかい。また、他人が自分に嫉妬していると思い込む。
 9.横柄で傲慢な振る舞いをしたり、気取った、尊大な、恩着せがましい態度をとったりする。