「FRIDAY」2011年6月29日増刊号「福島第一原発/「放射能の恐怖」全記録」



 増刊2冊目。労作に敬意を表して購入。マスメディアが持ち得ていない反権力の志をもった、まっとうな編集。執筆メンバーの豪華さを見よ。インタビュウは広瀬隆海江田万里小出裕章河野太郎、佐藤栄左久、武田邦彦。それに広河隆一の写真。考えられるベストの布陣。
 普段はスキャンダリズムを売り物にする写真週刊誌。どっこいジャーナリズムは死んでいない。機動力を生かして、原発問題に肉薄する。「恐ろしい被曝の真実」で取り上げられた岩佐嘉寿幸さんと大泉昭一さんの被曝の衝撃と司法判断の不条理は必読。また被曝と隣り合わせになりながら、復旧作業に従事する原発作業員の写真とレポートは生々しい。
 命は守られなければならない。たかが電気のために、誰かの命が犠牲になってはならない。そんな当たり前のことが、イマイチ見えない大新聞やテレビよりも志が高い。580円は安い。