官僚制の起源−自閉共同体の病


官僚病の起源

官僚病の起源


 「報道災害【原発編】」でも少し触れられていた岸田秀「官僚病の起源」。「自閉共同体の病」6項目とはこれ。 ■Pigg Rooms Japan■2011-04-20「田吾作脳科学的に証明される」よりいただきました。http://ameblo.jp/beautiful-japan/entry-10857289836.html


■官僚病の起源---自閉的共同体の病


1.
 官僚組織は、本来、国のため国民のためのものであるにもかかわらず、自己目的化し、仲間内の面子と利益を守るための自閉的共同体となっている。そのため、共同体内の地位、昇進や賞罰は、国のため国民のためにどれほど貢献したかによってではなく、共同体の仲間特に上位の人たちに気に入られるかどうかによって決定される。


2.
 しかも、その自覚がなく、仲間に気に入られるように仲間のためを尽くしながら、国のため国民のために役立っているつもりである。


3.
 共同体のメンバーでない人たち、すなわち仲間内以外の人たちに対しては無関心または冷酷無情である。


4.
 同じことであるが、仲間の対しては配慮がゆき届き、実に心やさしく、人情深い。したがって、共同体の中にいる者は実に居心地がよく安定しており、共同体の崩壊は世界の崩壊と感じられるので、共同体の保全を何よりも優先する。


5.
 身内の恥は外に晒さないのがモットーで、組織が失敗を犯したとき。失敗を徹底的に隠蔽し責任者を明らかにしない。


6.
 従って、責任者は処罰されず、失敗の原因は追求されないから、同じような失敗が無限に繰り返され、共同体の外の人たちは甚大な被害を受ける。


 また、英国の歴史学者政治学シリル・ノースコート・パーキンソンが提唱した「パーキンソンの法則」というのがある。
 「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」(第一法則) 「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」(第2法則)パーキンソンの凡俗法則というのもあって、
 「組織はどうでもいい物事に対して、不釣り合いなほど重点を置く」のである。