橋下市長:小中学生に留年検討 大阪市教委に指示


 現実的ではない。
 おそらく制度的に機能しない。留年させても、できない子供はできない。できるようにはならない。上の学年に行けば行くほど、その傾向は強まる。オイラは中学で勤務していたこともあって、そのとき、中3生の素行不良生徒の補習をやっていたのだが、使ったテキストは、小学校3年のものだった。500点満点で100点以下の者も結構多い。発達障害などの場合も含め、50点や30点という中学生もいる。30点の子が150〜200点取れるようになるのは至難の技だ。橋下氏は、いったいどんな基準で、留年させるつもりなのだろうか?


 「留年しても、できるようにはならない」そのことを現場の教員はよくわかっているから、もし留年するかどうかの線引きを現場の教員が判断する場合は、長期の欠席などの場合を除いて、よほどのことがない限り留年させないだろう。もし、機械的に線引きをして、何点未満は留年、とすれば、教育現場は混乱することは目に見えている。ゆえに、制度的に機能しない。


 教育について特別な知見を持たないのに、思いつきで介入して現場を混乱させるのは、子供のためにはならない。留年よりも現実的なのは、前にも提案したが、リメディアル教育のような、学力差でタテ割りされたあとの、高校・大学における補習授業の必修化の方が効果があるとオイラは思う。
http://d.hatena.ne.jp/furuta01/20120129/1328014917


(以下は、何度も掲載したが、またまた書いておく。オイラの考える、高校・大学でのリメディアル学習の制度化の提案である)


 高校・大学においては、学力に問題のある学生、対人スキルに問題のある学生に、学力を保障する制度を導入するべきである。そのために人員を配置する。予算措置・法的措置が必要である。


 学力的に不十分と思われる学生には、学力補充講座を必修とする。赤点を取った学生は、決められた講座を履修しないと、卒業認定されないシステムにする。教師は赤点をつけることに躊躇してはならぬ。フォローのために、十分な補充時間数を確保し、きちんとしたリメディアルのためのカリキュラムを用意する。これは懲罰的措置ではない。ましてや学校の「やりました」というアリバイ作りでもない。社会で通用する人間を育成するという視点に立って、制度として導入する。


 政治家の方で、どなたか関心のある方はいらっしゃいませんか?




橋下市長:小中学生に留年検討 大阪市教委に指示

 大阪市橋下徹市長が、小中学生であっても目標の学力レベルに達しない場合は留年させるべきだとして、義務教育課程での留年を検討するよう市教委に指示していたことが分かった。法的には可能だが、文部科学省は年齢に応じた進級を基本としており、実際の例はほとんどないという。


 橋下市長は、市教委幹部へのメールで「義務教育で本当に必要なのは、きちんと目標レベルに達するまで面倒を見ること」「留年は子供のため」などと指摘。留年について弾力的に考えるよう伝えた。


 文科省によると、学校教育法施行規則は、各学年の修了や卒業は児童生徒の平素の成績を評価して認定するよう定めており、校長の判断次第では留年も可能。外国籍の生徒で保護者が強く望んだ場合などに検討されることがあるという。


 市教委も「学校長の判断で原級留置(留年)できる」としているが、実際は病気などで出席日数がゼロでも進級させているという。担当者は「昔は長期の病気欠席などでごくまれにあったと聞いているが、子供への精神的影響も大きい」と話している。


 橋下市長は22日に予定されている教育委員との懇談で義務教育課程での留年について提案、意見を求める予定という。【林由紀子】


毎日新聞 2012年2月22日 11時14分(最終更新 2月22日 12時04分)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120222k0000e040179000c.html