Perfumeツアー「JPN」大阪城ホール2日目



 一度はライブを観たいと思っていた、Perfumeサードツアー「JPN」大阪城ホール2日目(3/28)を見に行く。


 Perfumeの魅力を端的にいうと「デジタルな要素」と「人間的な要素」の、絶妙のコンビネーション」にあるとオイラは思う。「デジタルな要素」とは、言うまでもないが音楽的にはテクノ・ポップスであり、加工された声、そしてレーザーやCGなどのステージ効果。これに対し「人間的な要素」とは、序列のない3人の友情と絆であり、広島弁のほのぼのとした語りであり、長い下積みと努力から滲み出される人間性と誠実さである。エレガンスとメカニカルな要素を含んだダンスには、「デジタル」と「人間」の二つの要素を融合しよう、同居させようという意図がはっきりと見える。


 また「Perfume」は、「キャンディーズの現代的解釈」でもある。キャンディ−ズは、言わずと知れた1970年代に活躍し1978年に解散した人気アイドルグループ。「女性3人組」「ダンス」「ミニスカートなど足を見せる」「エレガンス」、これらはPerfumeと共通。キャンディーズは、バラエティ番組などに出演しながら、ダンス、ハーモニーなどに磨きをかけ、引退間際には当時の若い女性歌手と比べると明らかに洗練されていたと思う。それは、高度なダンスパフォーマンスをめざすPerfumeと重なる。


 キャンディーズは「普通の女の子に戻りたい」という有名な言葉を残して引退した。引退時期はまさに人気絶頂期。引退の決断は、彼女たちが相談して決めたという。その潔さは、商業主義・拝金主義に媚を売らない凛とした生き方を感じさせ「カッコいい」。そのきっぱりとした部分があったから、多くの人々に支持されたのだとオイラは思う。そのキャンディ−ズのマネージャーをつとめていたのが、Perfumeの所属事務所であるアミューズの創業者「大里洋吉」である。mcintosh氏によると、前日の大阪城ホールのライブ中「私たちは平成のキャンディーズ」と言う言葉が本人たち自身から発せられたとのこと。Perfumeキャンディーズを意識してプロデュースされていることは間違いないところだ。


 キャンディーズは、アイドルグループとして磨き上げられた部分と、人間的な凛とした部分を両立させたグループであり、そのありようが、Perfumeのありようと見事に重なるとオイラは思う。現代を代表するもうひとつのアイドルグループ、AKB48は、商業主義の匂いを色濃く感じさせ、水商売的な感じがするのに対し、Perfumeは、良い意味でお嬢様的な品の良さと自分らしさを兼ね備えているグループと言えるだろう。


 会場となった大阪城ホールは、立ち見もあふれる超満員。オイラの席はステージから数十メートル離れた位置にあり、Perfumeの3人は豆粒ほどにしか見えない。しかしそのことが気になったのは最初だけで、ライブが盛り上がると、Perfume3人の距離はぐっと近くなる。こうした実感を持てるのがライブのよさ。3人の「伝えよう」という意志と、観客を「リラックスさせよう」というしかけに、観客はうまくノセられて、至福の時を過ごすことができた。当日つきあってくださったmcintosh氏には、いろいろお世話になりました。