駆け込み退職は「無責任」となじる前に その3


 もう一度地元の地方紙に投書した。教員の駆け込み退職について、2月7日付の「読者の手紙」欄に、またまた無理解な意見が載ったからだ。あの新聞社は、駆け込み退職を批判すること事態ナンセンス、という趣旨のことを書いたオイラの投書を掲載したのに、また元へ戻って退職者を批判する記事を載せるということをするのだ。議論が止揚していかないので、反論するのは徒労感が先に立つ。それでも、バランスを取るうえで、教員の立場から誰かが声をあげておかないといけないと思ったから書いた。ただし今回は2回目だし批判がストレートなので掲載されないかも知れない。


 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


   基本的人権は尊重すべき
    (徳島市、古田彰信・51歳・教員)


 教員の駆け込み退職を「無責任」と批判する投書が、地元の地方紙にまた載った。こうした批判の多くは、教員も労働者であるという観点を無視した、一面的な見方に思える。


 教育公務員には、全体の奉仕者としての側面とともに、生活者としての側面がある。公務員といえども、基本的な権利義務関係において、民間の労働契約と根本的な違いはないというのが、法的な一般的理解である。つまり一方的に報酬等が引き下げられたら辞める自由があるのは当然で、そのことをダメだと非難することは、憲法で保障された職業選択の自由の侵害になる。


 また「個人の犠牲はいとわず、子どものために責任を果たすのが当然」と過度に無理強いする風潮は、「個人の犠牲はいとわず、国民は責務を全うすべし」という論調につながる。個々人の事情を軽視する全体主義的な論調がまかり通るようになると、戦時中がそうだったように、教員だけでなく、労働者全体の労働条件が不当に引き下げられやすくなる。


 基本的人権の尊重を軽視する、労働者同士の足のひっぱりあいは、誰かの思うツボである。


 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 関連エントリ
  ■[教育]「駆け込み退職は無責任」となじる前に
   http://d.hatena.ne.jp/furuta01/20130131
  ■[メディア][教育]「駆け込み退職は無責任」となじる前に 追記
   http://d.hatena.ne.jp/furuta01/20130204