SFマガジン2011年9・10月号「SFスタンダード100ガイド」


S-Fマガジン 2011年 09月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2011年 09月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2011年 10月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2011年 10月号 [雑誌]


 SFマガジンを久しぶりに手に取った。「SFスタンダード100ガイド」が掲載されていたからだ。かつてSFに夢中になっていて、1974年11月号の192号から、1980年代半ばまでは毎号買っていた。ちょうどオイラの中学1年から、大学を卒業し就職するまでの、ほぼ10年間だ。


 1980年代半ばに、SFマガジンを買わなくなった。ちょうどオイラが就職したあたり。最初の年は、荒れた中学校に赴任して教師としてオイラは揉まれた。現実の方が、フィクションよりエキサイティングであることを、身を持って知らされた。フィクションに「かまけている」どころではなかったのである。
 

 SF界では、ちょうど1980年代前半に、太陽風交点事件があった。太陽風交点事件とは、早川書房が、堀晃の「太陽風交点」の出版をめぐって、徳間書店と堀晃を訴訟して敗訴した事件。この事件がきっかけとなって、小松左京星新一筒井康隆らのSF第一世代の大御所が、SFマガジンに書かなくなった。こういう事件は業界を沈滞化させる。寄稿メンバーが一新されて、雑誌が小粒になった。SFマガジンがSFというジャンルの代名詞だった時代は終わった。それとともに「浸透と拡散」が進み、活字SFというジャンルがしぼんでいった。


 それでも時々気になって、SFマガジンを買った(SF畑の誰かが死ぬと、SFを思い出す)。現在666号。久しぶりに読んで、字が小さい!と思った。最近は文庫や新書の文字も大きくなった。見やすいが、あっという間に読み終わってしまえる感じ。だが、ここだけは、時間が止まっているかのようだ。
 七瀬由惟&編集部・選のSFスタンダード100は、なるほどと思いながら読んだ。80年代以降は、あまり読んでいないが、それ以前は、オイラが多感な時期に、何度も何度も読み返した傑作揃いである。また読み直してみたいという欲求に駆られた。


七瀬由惟&編集部・選のSFスタンダード100


(1950年代)
われはロボット
火星年代記 
宇宙船ビーグル号
銀河帝国興亡史》3部作
華氏451度
幼年期の終わり
人間以上
虎よ、虎よ!
都市と星
夏への扉
渚にて−人類最後の日
宇宙の戦士
タイタンの妖女


(1960年代)
ソラリスの陽のもとに
地球の長い午後
デューン砂の惑星
結晶世界
アルジャーノンに花束を
光の王
2001年宇宙の旅
ノヴァ
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
ユービック
世界の中心で愛を叫んだけもの
闇の左手
夜の翼
スローターハウス5


(1970年代)
九百人のお祖母さん
リングワールド
完全な真空
エルリック・サーガ
ストーカー
クラッシュ
時間衝突
終わりなき戦い
ハローサマー、グッドバイ
ノーストリリア
愛はさだめ、さだめは死
星を継ぐもの
歌の翼に
楽園の泉


(1980年代)
竜の卵
新しい太陽の書
スタータイド・ライジン
ニューロマンサー
ブラッド・ミュージック
エンダーのゲーム
スキズマトリックス
戦士志願
タフの箱舟
たったひとつの冴えたやりかた
ブルー・シャンペン
リプレイ
火星夜想曲
ハイペリオン》4部作


(1990年代)
ジュラシック・パーク
ディファレンス・エンジン
宇宙消失
レッド・マーズ
遠き神々の炎
紅の勇者オナー・ハリントン
さよならダイノザウルス
タイム・シップ
万物理論
奇術師
ダイヤモンド・エイジ
氷と炎の歌
ディアスポラ
キリンヤガ
犬は勘定に入れません−あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎
フラッシュフォワード


(2000年代)
アメリカン・ゴッズ
ペルディード・ストリート・ステーション
啓示空間
あなたの人生の物語
くらやみの速さはどれくらい
イリアム/オリュンポス
深海のYrr
老人と宇宙
アッチェレランド
時間封鎖
《彷徨える艦隊》
異星人の郷
ファージング》三部作
リトル・ブラザー
時の地図
ねじまき少女


(日本オリジナル短編集・アンソロジー
祈りの海
幸せの理由
不思議のひと触れ
ふたりジャネット
フェッセンデンの宇宙
最後のウィネベーゴ
デス博士の島その他の物語
限りなき夏
ベガーズ・イン・スペイン
《ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク
アジャストメント
20世紀SF
SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー