槙原敬之「Listen To The Music 2」


Listen To The Music 2

Listen To The Music 2


 2005年に出された槙原敬之のカヴァーアルバム。要するに、槙原が好きな曲、歌いたい曲を歌っているわけだが、この中に尾崎豊の「Forget−me−not」という曲が収録されている。2004年に出された尾崎豊トリビュートアルバムで槙原が歌った曲でもある。


 ライナーノートで槙原は語る。「今の若い子たちを見ていると本当に言いたいことを歌っていない気がするんですけれど、尾崎君の歌は言いたいことを思いっきり歌っているので、好きです」


 考えてみれば、槙原もそうだ。照れ臭いような内容を、恥ずかしげもなく、真正面から誠実に歌いあげる。「どんなときも」がそう。誰かに迎合するのではなく、自分自身を起点にして表現する。尾崎豊の中に、槙原は、自分自身を見た。その意味で、槙原の歌う「Forget−me−not」は、純度の高い出来である。


 表現するとき、オイラは自分自身を起点にしているだろうか。言いたいことを歌っているだろうか。常に問い直しながら手探りで進みたいとオイラは思う。表現することは生きること。不誠実に生きるのは嫌だ。