勤務校の演劇部に顔を出す



 今年度は、ほとんど勤務校の演劇部に顔を出していなかった。8月4日の第12回とくしま小中高演劇フェスティバルへの出演を前にして、さすがに少しテコ入れが必要と思い、夏休みになって3日間だけ演劇部に顔を出す。


 かなり演出に口を出した。演出しながら、オイラの演出観が変化していることに気づく。十数年前なら、未熟な役者の未熟さが際立たないようにするためにオイラはアドバイスしていた。しかし、今は違う。未熟なら未熟さが個性。未熟さが際立つような動きも面白く感じることができる。また細かい動きも、以前なら厳密に間の長さやタイミングを決めて、役者にそれを求めていたが、今はできるだけ自由にやらせることが多くなった。たとえば「どこのタイミングで動くのですか」と役者が問えば「どこでもいい」と指示する。ある役者に対しては「演出の言うとおりするな」「毎回同じ動きをするな」とまで指示した。


 要するにアバウトになったのだ。そして役者にもアバウトさを要求するようになったのだ。今までの生活体験で身体化されてきた役者の「当たり前の、無意識の動き」から自らを解きほどき、新たな表現を獲得するためには、型に入れるより、アバウトに動いた方が近道だとオイラは気づいたのだった。そのかわり、ダメ出しは、それぞれ個別の身体ごとに、より具体的に行う。そうした方法がうまくいっているかどうかは、8月4日、15時からヨンデンプラザ徳島で確認してほしい。


 役者のほとんどは4月に入部した初心者。そうした役者ですら、より「リラックスした身体」を身にまとい、無心で「いま−ここ」を感じながら舞台に立てる状態に近づける、そんなノウハウをオイラは身につけたいと思う。


 四国電力の週間でんき予報によると、公演当日(8月4日)の電力使用量は87%ほどで、ヨンデンプラザ徳島が閉館になることはまずない見込みである。もしよろしければ、ヨンデンプラザ徳島にお越しください。よろしくお願いします。