週刊ダイヤモンド2012年11月3日号 特集「モトがとれる学校・塾・習い事」


週刊 ダイヤモンド 2012年 11/3号 [雑誌]

週刊 ダイヤモンド 2012年 11/3号 [雑誌]


 子供にお金をかけるなら、どうお金をかけたら「モトがとれるのか」を考える特集。経済誌らしい切り口の、人目を引く特集だけに、おやっと思った記事があった。


 「名門への「裏口入学」そのために必要な本当の金額」(51ページ)という記事がそう。裏口入学の仲介者が、絶対匿名を条件にインタビュウに応じ、その実態について暴露する、という内容である。


 「数千万円という相場は、詐欺師たちがつくった虚像にすぎない」
 「実際にかかる合計金額は10万〜30万程度」
 「実際に渡すのは商品券など」
 「入学後に多額の寄付金を払うことを約束して裏口入学する例も」
 「試験を作る側の私立中学の先生に、家庭教師をお願いするという手も」
 「カネ以上に重要なのは受験生と両親の人格」
 「裏口入学のブローカーの探し方」


 裏口入学の実態などという知識は、オイラまったくなかったので、内容については興味深く読んだ。しかし、この記事、何のために書かれたのかと考えると、どうにも読み心地が悪い。「モトがとれる」という売り文句の特集だけに、裏口入学の方法・費用を伝授する記事なのではないかと思えたからだ。


 公立の学校はともかく、私立の学校であれば、口利きや寄付を前提の入学もありますよ、という人もいるだろう。だが「裏口」という言葉には、「不正」というニュアンスがすでにこめられている。現に週刊ダイヤモンドの当該記事のリード文には「残念ながら、裏口入学は今も残っているようだ」と書かれている。「残念ながら」と書くのなら、記事を書いた側も、裏口入学には問題がある、と思っているということだ。


 なら、どうして裏口入学を推奨するような記事を掲載するのか? オイラには編集側のスタンスがよくわからない。