成毛眞「本棚にもルールがある」(ダイヤモンド社)


 
 勤務校の常駐部屋を模様替えをしたのは成毛眞「本棚にもルールがある」(ダイヤモンド社)を読んだことがきっかけだった。


 この本は、本棚の活用法について書いた本である。この世に情報管理についての書物は数あれど、本棚をどう使うかということについて書かれた最近の本を、オイラは知らない。むしろ、クラウドノマドなど、仕事をするうえでは、本棚は省みられることがなかった。「本棚は何でも詰め込んではいおしまい」としか考えていなかったオイラにとって、本書の内容は、まさに目からウロコだった。


 筆者によると「本は外付けの脳」である、という。定期的にリフレッシュしてアップデートすることによって、自分自身も成長することができる。本の内容は、読んだそばから忘れていいし、必要のない本は、捨ててもいい。むしろ整理と選別を積極的に行う、そうすることで、混沌としている自分のアタマを整理できる。


 そして本棚の容量に対して2割の空間を作る。この2割こそが、自分の成長の余白の象徴である、というのだ。この考え方は、オイラにとっては、目からウロコだった。オイラが考えていたのは、いかにたくさんの本を収納するかということだけだった。あふれかえった本が、そこらに散らかって、雑然とした雰囲気を醸し出していた。


 人生においてもそうだ。オイラの毎日のスケジュールときたら、いつも時間に追われてアップアップ、机は書類の山、スケジュールも管理しているとは到底言えず、いきあたりばったりの毎日。書類や本が生活空間を浸蝕している生活。


 余白を作ろう。本棚はその象徴である。ちょうどオイラには、仕事上、勤務場所に、高校生や他の教員と知的に交流できる「場所」がある。今はひとりでこの部屋を使っているので、レイアウトは自由だ。小ぶりの本棚をいくつも買ってきて、とりあえず手持ちの本を並べてみた。気分は学校の「リベラルアーツ・センター」である。


 運用を始めてまだ少ししかたっていないが、部屋や本棚の本について、話ができることもある。またできるだけドアと窓の開放を心がけているので、ほどよい緊張感があって気分がいい。こういう気分でいられるのも、今の仕事が2年目ということもあって、少々余裕があるということだろう。昨年はあまりできなかった、廊下の人権展示なども、今年は積極的に試みている。