英数コースはなかった。

■上下関係が重視され、成果主義に陥りやすい部活動は、選別体制とは親和性がある。部活動はいまや教師をブラックな職場環境に追い込むほどに隆盛を極めている。また部活動によって生徒指導がなされているという側面もある。なぜ生徒指導と部活動に親和性が生…

いま1950年代を見つめる

■ここしばらく偏差値による選別体制の弊害を考えている。皆が受験体制に従属して、何とも思わずそれを受け入れていること自体がホラーだと思う。思えば教師の職場環境がブラック化したのも、高校生が過重な受験負担を強いられているのも、偏差値による選別体…

毎日何を伝えているのか

■日本の学校で、自分を見失わないように生きるのは至難のワザだ。職朝で伝達して下さいと言われる事項は、けっこう膨大な量で、クラスで伝達するだけで一苦労。各担当から言われたことを、そのまま伝えて終わり、ということもよくある。教師が咀嚼する時間が…

プールは教室のようだ。

■プール。オイラは海川メインの日本泳法の人なので、プールで競技泳法の人と同じコースで泳ぐと、クロールのペースにひっぱられて、少しオーバーペースになる。片抜き手でピッチをあげると合わせられるが、余裕が削がれ、しぼられる感じになることが多く、バ…

卒業式はいらない

「卒業式はいらない」に一票だな。少なくとも官僚的、権威主義的で形式優先の卒業式はNOだ。形式化された指導の一々が「お上をうやまえ」「かしこまれ」「さからうな」「(理不尽でも)言うことを聞け」と暗黙のメッセージを送る。生きにくさを醸成する社…

処世術より哲学を

必要とされているのは、哲学。哲学の代わりにいま全盛なのは、処世術。皆が処世術で動いている。目先の得な方、楽な方にカンタンに流れてしまう。学校も処世術。挙句の果ては、考えることすらやっかいだから、考えることすらしないという振る舞いが、日本に…

不愉快でリアル「アイ、トーニャ」

『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』予告編(5月4日(金・祝)公開) ■ナンシー・ケリガン襲撃事件で有名な元フィギュアスケーター、トーニャ・ハーディングの半生を描いた映画「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」に、とても印象的な場面があ…

善意で敷きつめられた倒錯

www.nhk.or.jp ■大正大学で行われた「叱られ方講座」をNHKが紹介していて、論議を呼んでいる。オイラが思うのは、企業に都合のいい、必要以上に従順な人材を養成するという点においては、この「叱られ方講座」も、高校で日常的にやっている、挨拶、お辞儀、…

矛盾こそを受け止める

教師が嫌いで学校に違和感を覚えるからこそ私は教師になる、と言い去年教育学部に進学した人がいた。「学校や教師が好きで教師になる」という、いっけん矛盾のない人よりも、本当はこういう人を学校は必要としてるんじゃないか。紋田正博も「学校は好きだ。…

思ってもいなかった自由

教育が国づくりだとすれば、「平和で民主的な国家及び社会の形成者」を作らないといけないのですが、競争に駆り立て、大企業のために企業戦士を作るための選別機関と化しているのが中等教育の現実です。自由を謳歌するべきなのは子どもであり、教師にはそれ…

学校は統制されている。

自由なようで自由でない。学校は統制されている。「~するな」という教育的配慮の名による管理。点数の呪縛。官僚的な事なかれ主義が、あきらめが、孤立するおそれが、思考や感性を萎縮させる。高校生が社会問題について考えられないのは、貧困な語彙しか持…

現実を見よ

高校生の語る社会問題は、夢見がちで他人事のようだ。まずは地に足をつけて現実を見ることだ。グローバルだ何だという前に、自分につながる具体的な課題を見つめた方がいい。生活の足元には、おかしいこと、ヘンなことが山ほどある。流されるのではなく、ど…

金子文子という奇跡

山田昭次「金子文子 自己・天皇制国家・朝鮮人」(影書房)読了。大正期、朝鮮人と連帯し天皇制に抗った金子文子の評伝。震災直後検束され、大逆罪で死刑宣告にも万歳を叫び、恩赦の通知を破り捨て、転向強要に抗して23歳で獄中自殺した。卓抜な知力、胆力…

受験ファシズム

高校を受験しない生徒に教師はこう公言して憚らない。「高校入試に向けてクラスみんなで頑張ろうというムードの中で、“異端”がいると全体の気が抜けてしまう。士気に関わる」耳を疑うが、地方の教育現場の現実はこんな感じ。主体的に生きることは、ここでは…

ミルグラム「服従の心理」とラング「アイヒマン調書」読了。「人は権威者の命令であれば、通常では考えられない残酷なことまでやってしまう」心理学的にも歴史的にも明らかにされているのに、教育の場面では「非服従の作法」を教えない。柔順な人を作るばか…

「災害と人権」という人権課題を「避難所での人権問題」という形にすると、しばしば「思いやり」や「支えあい」といった振る舞い方の側面が強調されてしまう。我慢の大切さを教えるのではなく、正当な権利保障を求める重要さに気づかせるためには、「被災地…

BOSE氏推薦の、韓国民主化闘争の実話を描いた映画「1987、ある闘いの真実」はスゴい。バリバリの社会派なのに、オールスターキャストで娯楽作としても第一級品、描かれている骨のある庶民のふんばりが熱くグッとくる。これ見ると、思考停止と傍観者…

考えなくてもよい社会

分からないことがあってもネットですばやく調べられる。考える時間は短くて済む。だがこれってすばらしいことなのか。速い世界の動きに目くらまされて、現代は「考えなくてもよい社会」になった。分からないことを分からないものとして長く考え続けることっ…

第70回徳島県高校演劇研究大会

高校演劇徳島県大会のスケジュールをUPする。例年同様、創作が多く、多様な作品が並ぶ。今年の注目は、今回初めて創作を手がける顧問の作品が多いこと。例年に増してラインナップに厚みが増し目が離せない。 第70回徳島県高校演劇研究大会 於県郷土文化…

ブログの都合

長い間使っていたこのブログサービス(はてなDIARY)が来年春で廃止になる。徐々に機能が縮小になり、とうとうこの9月から、twitterの書き込み連動サービスがなくなった。今まではtwitterに書き込むと、24時間分の記事が自動的にUP…

研究授業を見た

地歴の研究授業。新学習指導要領を視野に入れた「指導主事的」な模範的授業。でも、生徒も教師も枠の中で一生懸命やるだけでは、課せられてる枠組みを批判する力は育たないよなあと思う。オイラ11月に県教委の前で授業をするが、県教委の意向はともかく、…

かすんでいく大切なこと

学校現場に「あれも、これも」といろいろな「教育」が入ってくる。現場でそれまで大切だとされてきた、人権や平和や民主主義を守る取り組みが軽視され、ひそかに浸蝕されている。学校は人権を教育目標に掲げながらも、人権について全く語らない教師の欺瞞に…

心に残ることば

世の中には「あなたはあなた、変わらなくていい」と「そのままじゃだめだ、戦え!勝て!成長しろ!」って価値観は溢れてるんだけど、何でそんなことを他人に言われなきゃいけないのか。もっと「自分は自分で生き抜くしかないし、さてお互いどうしましょうか…

「物言う管理職」「物言う県教委」に

「ロボットになりきりコンテスト」はいらない。平教員ももちろんだが、管理職こそ「物言う管理職」であってほしいし、教委にも「もの言う教委」であってほしい。定型句や伝達だけではなく、自分を起点にして語るという意味においての「もの言う」である。心…

沖縄から世界を見れば

よく、日本の真東は「ブエノスアイレスの沖」とか言われるが、「ブエノスアイレス沖」は正しくは「東京の真裏の点(対蹠点)」であり、そこは真東であるが真西でも真北でも真南でもあると言える地点である。ブエノスアイレスじたいは、たとえば那覇から見れ…

出る杭は打たれる

やる気がある(と校長が見なした)教員がピックアップされる。激務が課される。淡々と仕事をこなした代償として、栄転や昇進が約束される。その過程で、必要なのは「逆らわないこと」だと囁かれる。こうして、物言わぬ牙を抜かれた腑抜けの教師ができる。管…

クロールと言えるかどうか

小学校の水泳指導と相性が悪く、クロールが全く泳げなかった。プールは憂鬱な場所であり続けた。今夏一念発起して、プールに通い、下手くそな自己流クロール(と呼べるのか?)を何とか身につけた。泳げるようになるまでに要した期間は、なんと50年だ。コ…

考えるな。感じるんだ。

演出家は、演じることを「楽しめ」というけれど、完全に役に没入している状態では、自分自身の状態に対する感覚は低下していて、むしろ演じている瞬間には、「我を忘れている」状態が理想的状態だと思う。まあ舞い上がりがちな役者をリラックスさせるために…

自主規制するシステム

遠くのことは批判できても、自分の所属する組織は批判しにくい。非民主的な組織では、構成員が自主規制し、管理側も耳を貸さないシステムができあがっている。なりたちから歪んでいることが多く、足元が変えられない。オープンな組織の方が、リスク回避もし…

「暗渠2.0」ご挨拶(8月25日ヨンデンプラザ徳島)

民衆を導く暗渠の女神 「暗渠2.0」のセリフの多くの部分は、藤川里恵さんという、社会運動に力を入れている、実在の人の言葉で構成されている。藤川さんは、オイラがかつて顧問だった城北高演劇部OB。2015年の終わりごろ連絡がきた。「スピーチをす…