演劇

「四国高演協だより2012」の原稿 その2

プロは本番では、稽古通りにしない (つづき http://d.hatena.ne.jp/furuta01/20130314より) プロの方から触発されたエピソードを、もうひとつあげておく。最近の出来事である。 昨年度の四国大会の折、審査員長の内藤裕敬氏に「プロの演劇と高校演劇、もっ…

「四国高演協だより2012」の原稿 その3

演劇は世間のイメージを覆す (つづき http://d.hatena.ne.jp/furuta01/20130313より) そして、今回の四国大会。オイラにとって、特筆すべきギフト(贈物)は、大会初日、最初に上演された小松島高「補習授業は暑くて長い」(作/田上二郎)の中の、一場面…

演出家の仕事とは

これを書いているのは2013年1月11日の早朝。日付をスキップせずにあえて2012年のところにブログを書いてきたのは、四国大会でひっかかり、オイラの時計が大会終了後で止まっていたためだ。審査と講評のあり方を批判した中で、「演劇的」という言…

「演劇的」とは何か/その3 小松島高「補習授業は暑くて長い」

今回の四国大会で、特筆すべき場面があった。大会初日、最初に上演された小松島高「補習授業は暑くて長い」の中である。 この作品は、夏休み、とある高校の地歴科準備室に集まる生徒と、若き世界史の臨時教師との交流を描いている。ちょうど8月15日、終戦…

「演劇的」とは何か/その2

プロの方から触発されたオイラの例をもうひとつあげておく。 昨年度の四国大会の折、審査員長の内藤裕敬に「プロの演劇と高校演劇、もっとも違う点は何だと思いますか」とオイラは質問した。その時の内藤の答えはこうである。「少なくとも、プロの役者の本番…

「演劇的」とは何か

前にもこのブログで書いたことに重なるが、ご容赦願いたい。 顧問の演劇観は、講評によって培われる。少なくともオイラの場合がそうだった。大昔の話で恐縮だが、1990年、丸亀で開催された四国大会。はじめて出場した四国大会である。審査員は篠崎光正。…

第37回四国地区高等学校演劇研究大会「三歳からのアポトーシス」講評に対して

前日のエントリで採録した水沼健氏の四国大会の最優秀校に対する講評は、印象批評に思え、正直オイラにはピンとこなかった。講評の中で「印象は〜」「印象に残ったのは〜」という言葉を重ねていたことに、彼はどこまで自覚的だったのだろう? 芝居が論理的な…

第37回四国地区高等学校演劇研究大会

審査結果は以下のとおり。 最優秀賞・文部科学大臣賞 ■徳島県立城ノ内高等学校『三歳からのアポトーシス』大窪俊之 作(顧問創作) (長崎総文へ) 優秀賞・全国高等学校演劇協議会長賞 ■愛媛県立川之江高等学校『みえにくいアヒルの仔』越智優 作(既成) …

第37回四国地区高等学校演劇研究大会

四国大会の生徒実行委員会委員長を務めた、オイラの勤務校のモリチャンの、開会式における挨拶。自分の実感を探りながら言葉を紡ぐ彼女の手つきに、彼女もまた、表現者なのだとオイラは実感した。気の利いた言葉、変にとがった言葉ではないのがモリチャンら…

第37回四国地区高等学校演劇研究大会

いよいよ高校演劇の四国大会まで数日(12月26日〜27日、於徳島県郷土文化会館)。地元開催とあって、本来ならオイラもいろいろ盛り上げたりお手伝いしたいところなのだが、今は現場を離れている身なのでままならない。ただ昨年度まで四国高校演劇協議…

富岡東高羽ノ浦校演劇部「避難」

とある学校、何者かによって鳴らされた不審者侵入の警報機。全校生徒が運動場に避難しているとき、音楽室には二人の女生徒が残って避難の様子をヴィデオカメラに収めていた。避難の様子を映画の一シーンとして使うためだ。一人は「高校生映画監督」として賞…

第37回四国地区高等学校演劇研究大会

12月26日(水) 10:50〜11:05 開会式 11:10〜12:10 上演1 徳島県立小松島高等学校 田上二郎 作 「補習授業は暑くて長い」(顧問創作) 13:00〜14:00 上演2 高知県立高知追手前高等学校 フェルナンド・アラバール 作 「…

「またあしたっ」結果報告「モリチャンのこと」

25日に結果発表。奨励賞だった。驚いた。これは参加賞にあたる賞である。オイラは何も言わなかったが、作品的には上位入賞校に決してひけをとっているわけではないことを生徒たちはちゃんと分かっていて、部長のモリチャンは「頑張ったのはどこの学校も一…

徳島県立城北高等学校演劇部「またあしたっ」県大会公演

稽古と本番は違う。圧倒的に違う。そのことをまざまざと実感した1時間だった。11月23日に行われた、オイラの勤務校の演劇部の県大会上演「またあしたっ」である。 このブログでも書いてきたが、今年は事情で十分にかかわることができなかった。稽古も遅…

演劇部に行く「これがラスト」

オイラの勤務校の演劇部、「またあしたっ」県大会の上演までカウントダウン。結局、通しを見たのは2回。21日22日は、私的な事情で稽古を見に行くことができない。最後は大幅に役者に任せることとなった。本当は最後まで面倒を見たいのだが、それができ…

演劇部に行く/上演4日前

11月23日に予定されている、オイラの勤務校の演劇部の上演まで、あと5日。土日は終日、演劇部の稽古につきあう。いまだ「立ち」である。上演5日前にして「立ち」というのは、芝居の稽古としては遅れている。正直追い込まれたというのが実感だが、追い…

仏話を聞く。演劇部に行く。

土曜日、義理の祖父の葬儀。現福寺の福島聴空住職の仏話を聞く。 戒名は、自身でつけることはできない、と住職は言う。仏になるためには、釈尊の教えを受け継いでいる僧侶に、いわば弟子入りをして、その戒めを自らのものにしなければならない。僧侶が僧名を…

いっそアクロバティックな

舞台で人が死んでも、あれは役者が死んだフリしているに過ぎない。幕が降りたら、死体もスタスタと起き上がって楽屋に急ぐ。また、舞台の上の人たちは、本当は役名の人物ではない。別人である。舞台はウソで満ちている。 何を当たり前のことを。 世間ではウ…

第64回徳島県高等学校演劇研究大会

これで決定だと思っていたのですが、更なる変更が反映されていませんでした。何度もすみません。上演意図とともに、再々掲します。 11月23日(金・祝) 開会式 13:40〜 1 14:00〜14:50 城 北 またあしたっ タカギカツヤ 作(生徒旧作・既成扱い) 高3…

演劇部に行く

(上は富東羽ノ浦校の村端先生が作った県大会チラシ) 拝啓 日毎に寒さが加わり、焼き芋や栗ご飯が美味しい季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。 演劇部は、なんと昨年に引き続き、そしてこの8月にひき続き、演劇部OBの、タカギカツヤ先輩の…

演劇部に行く

勤務校の演劇部の指導。今年度は週1−2回のペースで稽古につきあっている。 「またあしたっ」県大会公演まで、あと4週間。10月28日は「立ち稽古」初日。 椅子や机をセットに見立てて、役者には自由に動いてもらう。 段取りに関する指示は、ほとんど出…

オイラという宇宙

極論すれば、表層のストーリーには、オイラはあまり関心がない。関心があるのは「構造」である。演劇的構造を用意するためにこそ、ストーリーを紡いでいるといって過言ではない。 どうしてそういう考え方になるのかを補足しておくと、(何度も書いたことだが…

第64回徳島県高等学校演劇研究大会

これで決定だと思います。田上二郎氏のHPより拝借しました。 11月23日(金・祝) 開会式 13:40〜 1 14:00〜14:50 城 北 またあしたっ タカギカツヤ 作(生徒旧作・既成扱い) 2 15:05〜15:40 池 田 テラ物語 松下 作(生徒創作) 3 15:55〜16:45 鳴…

第64回徳島県高等学校演劇研究大会

於 あわぎんホール(徳島県郷土文化会館)大ホール 高校演劇の徳島県大会、各校の上演作品名と作者名が分かったのでUPします。今年は未定あるいは題目変更の可能性のある学校がいくつかあるようです。時間は、以下の通りです。よろしくお願いします。 11月…

タカギ カツヤ「またあしたっ」

1週間以上のごぶさたです。しばらく更新が滞っていたのは、11月におこなわれる高校演劇の県大会で上演する台本に手を入れていたためです。時間が切迫していたため、台本の改稿を優先させてもらいました。ブログに何度も足を運んでくださった方々、すみま…

第64回徳島県高等学校演劇研究大会

於 あわぎんホール(徳島県郷土文化会館)大ホール 高校演劇の徳島県大会、上演順と時間が決定したようです。作品名は、今のところオイラのところまでは届いておりません。わかり次第アップします。 城北高は、昨年に引き続き、タカギカツヤ作「またあしたっ」…

不良文化についての一考察/その1

何度も言っているとおり、不良文化についての映画や文献を漁っているのは、オイラの勤務校の演劇部が県大会で上演する作品作りの参考にするため。当の作品「またあしたっ」(タカギ カツヤ作)は、11月23日(金)14時から、県郷土文化会館での上演とな…

いっぱいいっぱいのカタチ

オイラは、高校の演劇部の顧問をやるかたわら、大学生や社会人といっしょに演劇を作ってきた。そのうちのひとりと、「高校生の演劇とオトナの演劇の違い」について話をしたのだが、そこでの会話で、なぜか印象に残ったフレーズがあった。 「高校生の演劇は、…

舞台はコワイ

2009年夏、オイラが顧問を務める演劇部の夏公演時、パンフレットに書いた「口上」。観客に対してというよりは、高校生の部員に対して書いた文章。 2009城北高演劇部夏公演「いるか旅館の夏」口上 投稿日:2009年 9月 3日(木) 舞台はコワイ 舞台はあ…

第58回全国高等学校演劇大会・岐阜農林高「掌(たなごころ)〜あした卒業式〜」感想

全国大会で上演された岐阜農林高の「掌(たなごころ)〜あした卒業式〜」は、農業高校を舞台に、バラバラになりかけたクラスが、はみ出し生徒との友情を確認することで、絆を築いていくドラマである。クラスが結束するきっかけになったはみ出し生徒が、家庭…