演劇

YOUYUBE「マルセ太郎」

池添徳明「実教出版日本史教科書への教委の介入めぐる全経緯」創2013年11月号

創 (つくる) 2013年 11月号 [雑誌]出版社/メーカー: 創出版発売日: 2013/10/07メディア: 雑誌この商品を含むブログ (1件) を見る 最近、行政が強引に教育へ介入する事例の記事が目につく。実教出版の高校日本史の教科書採択における介入もそのひとつである。…

成井豊「成井豊のワークショップ−感情解放のためのレッスン」演劇ぶっく社

成井豊のワークショップ―感情解放のためのレッスン作者: 成井豊出版社/メーカー: 演劇ぶっく社発売日: 2000/03/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 初版は2000年3月と古い。2010年に新装版も出た。演劇集団キャラメルボックスの…

第65回徳島県高等学校演劇研究大会

高校演劇の県大会が近い。 ホール・大会事務局との上演前の打ち合わせがあった。部員に考えさせ、入念に確認をして、打ち合わせ会に臨むはずだったのだが、準備不足のため、顧問のオイラが主要な書類を整えて打ち合わせをおこなった。舞台平面図など、必要書…

演技論

演じることを煎じつめて考えれば「演じないこと」にたどり着く。 セリフを「読んでいる」という意識を断たなければならぬ。前もって「こう読もう」という意識を捨てなければならぬ。ただ、劇の人物に憑依し、相手のセリフの発し方に瞬時に適切に反応するのみ…

演劇部の稽古を見に行く。

県大会に向けて本読み。 顧問のオイラは、前日にほとんど寝ていないせいもあって、ちょっと離れたところで、だらだらしながらセリフを聞いていた。 始めたばかりの部員たちの本読みは、全体に少々うわずった早口。文字を追うのに精一杯という感じ。セリフと…

第65回徳島県高等学校演劇大会

高校演劇の徳島県大会、今年度の出場校と出場順は、次のとおり。 今年度は昨年度より3校少ない13校。鳴門渦潮高と、阿南市の普通科高校2校(富岡東、富岡西)が、部員不足で今年度は辞退した。難しい条件のなか奮闘していた鳴門渦潮高、そして阿南市エリ…

演劇部の稽古につきあう

演劇に関わっていると、「呼吸する」「立つ」「話す」「見る」など、ふだん空気のように行なっている無意識のふるまいが、実は奥の深いものであることに気づく。 勤務校の演劇部の稽古中にこんなことがあった。舞台の上には3人の役者がいて会話する場面。ひ…

勤務校の演劇部夏公演終わる

8月24日は、オイラの勤務校の演劇部の夏公演。四国電力の施設であるヨンデンプラザ徳島3Fホールでの上演だった。四国電力の「でんき予報」で使用電力が97%を超えると「閉館になります」とホール側から説明を受けたのは昨年どおり。もし公演が中止に…

第59回全国高等学校演劇大会(長崎大会)その2

(つづき) 会場となった長崎市公会堂は、かなり古い建物で、演劇には不利な劇場である。声が観客席に届きにくい。とくに袖を向いた役者の声は袖に吸い込まれてしまう。他の会場では問題ない発声の癖や「観客に届ける」という意識の緩みが、この会場ではテキ…

第59回全国高等学校演劇大会(長崎大会)

8月2日から4日にかけての3日間、長崎県長崎市で行われた第59回全国高等学校演劇大会に参加した。同行したのは、勤務校の演劇部生徒5名、副顧問のM先生、それとオイラの総勢7名。以下は、印象に残った作品の感想のいくつかである。 鶴見商高(大阪)…

第27回高知高校演劇祭 その15

上演16 高知工業高 今村好希作「修学旅行最後の夜」 講評文を五月に書き始めたのに、最後までたどり着いたのが七月になってしまった。ちょうどこの七月二十一日に、四国高校演劇祭が開催され、高知県代表として「修学旅行最後の夜」が上演されていた。この…

第27回高知高校演劇祭 その14

上演15 春野高 阿藤智恵作「しあわせな男」 別役実の影響を受けた、スリリングな既成台本である。何者でもない人びとが、家族の真似ごとを始める。父親を演じる「男」は、やがて「家族ごっこ」を受け入れ、家族のある幸せを実感するが、家族の暗黒面もまた…

第27回高知高校演劇祭 その13

上演14 高岡高 加藤のりや作・高岡高校演劇部潤色「王女様のいるところ」 難破した船、見も知らぬ場所へ流れ着いた王女。実はそこは認知症の施設だった。王女の遭難と、意識が混濁した老女の夢が二重構造になっている作品。 もともと四人、男性中心で演じ…

演劇部の稽古に行く

桜の園・三人姉妹 (新潮文庫)作者: チェーホフ,神西清出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1967/09/01メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 38回この商品を含むブログ (43件) を見る 久しぶりに勤務校の演劇部の近況を。今年度の主力は一年で女子四人。二年女子が…

第27回高知高校演劇祭 その12

上演13 宿毛高 長谷川琥珀作「令嬢メイド・御堂河内アンナ」 コントである。作品を悪く言っているのではない。コントとして作られコントとして解釈してほしいと作品が求めている。笑いを目的にして作られていて潔い。既成作品だが、作品の割り切りがはっき…

第27回高知県高等学校演劇祭 その11

上演12 高知南高 川久保綾作「贅沢な骨」 遅くなってすみませんでした。5月3日から5日まで、高知追手前高校の芸術ホールで開催された「第27回高知県高等学校演劇祭」の上演校への批評です。上演12/高知南高「贅沢な骨」について。 明治時代を舞台…

第27回高知県高等学校演劇祭 その10

上演11 高知丸の内高 楽静作「明日二人だけのロミ&ジュリを」 3年の女子部員ふたりきりで「ロミオとジュリエット」を上演しようとする演劇部の、文化祭直前の3日間の様子を描く。多いセリフをこなしきれていなくて、少々危うさがあるが、セリフに力が抜…

第27回高知県高等学校演劇祭 その9

上演10 岡豊高 西内ひかり原案・篠智美作「リンク・リンク・リング」 演劇部の部室で芝居の稽古をしている人たち。演劇部員たちの日常と芝居つくりによって生じる葛藤と対立を、現実と劇中劇を交えながら描いた作品。 未整理なままの部分がいくつかあり、…

第27回高知県高等学校演劇祭 その8

上演9 土佐塾中高 加藤のりや作「鎖をひきちぎれ」 死んでからもペットとして墓石に鎖でつながれている犬のポチと小鳥のピーコ、カメレオンのカメの3匹が、自由を求めて鎖をはずそうとする。 役者のセリフは悪くない。ピーコの「カゴの中の様子を語るモノ…

第27回高知県高等学校演劇祭 その7

上演8 高知東高 石原哲也作「クロスロード」 今回の演劇祭では、高校演劇の全国大会に出場するような、有名な作家の既成作品は、ほとんど上演されなかった。参加校が増えたことで「上演時間は45分まで」という制限がかけられたせいだろう。高校演劇の既成…

第27回高知県高等学校演劇祭 その6

上演7 土佐女子高 市原菜乃・土佐女子中高演劇部作「フィナーレ」 心に闇を抱える少女とサーカスの団員の交流を描く。凝った舞台美術である。効果的なボールと太鼓などの書き割り。正面奥に階段、立体的な配置。カラフルな色彩のバランスを考慮した衣装。動…

第27回高知県高等学校演劇祭 その5

上演6 高知学芸高 田中教如作「楽しい歓迎会」 昨年もそうだったのだが、高知学芸高の演技は「まっすぐに「演劇」に向かっている」点において、とても好感が持てる。「演劇に向かう」とは、相手を意識してセリフを言い、相手の言ったことに対して、ちゃんと…

第27回高知県高等学校演劇祭 その4

上演5 山田高 中田彩希作「鎖絡む少女」 過去に生贄の儀式がおこなわれてきた村で再び起こる忌まわしい死。それがきっかけで昔の悲劇が明らかになる。 創作である。頑張ってよく書いたと思う。自分の面白いと思う世界を舞台に乗せようという意欲は買う。冒…

第27回高知県高等学校演劇祭 その3

上演4 土佐高等学校・ひまわり作「かえるハイツ」 高校生3人と大学生ひとりの女子四人が集う家。大学生の女子がひとり暮らしを始めることで、四人の心にさざなみが立つ様子を描いた会話劇。 台本について。生き生きとした日常的な等身大の女子の会話がとて…

第27回高知県高等学校演劇祭 その2

2 高知追手前高/宮沢賢治作「銀河鉄道の夜」 この演劇祭で思ったことは、舞台には同じように上がっているのだけれど、表現に対するさまざまな高校生の取り組み方があって、それは本当にいろいろなバリエーションがある、ということだった。とくに「表現に…

高知小津高演劇部 ナイトメア・プロジェクト作「歪みの国のアリス」

5/3〜5の3日間、高知県の春の高等学校演劇祭に、昨年度、一昨年度に引き続き、講師審査員として招かれた。以下、毎年恒例となっているが、何回かに分けて、各校の感想を記したい。 高知小津高演劇部の芝居は、携帯ゲーム「歪みの国のアリス」を下敷きに…

ささやかな校内公演のパンフレットに書いた口上

「繰り返し記憶する」ということ 四国から行くなら、明石海峡大橋を渡って一般道に降りてすぐ。明石市の中心に明石公園という大きな公園がある。そこに阪神淡路大震災の慰霊碑があって、こう刻まれている。 これは いつかあったこと これは いつかあること …

「世界はギフトを待っている」

全文掲載はコチラ http://d.hatena.ne.jp/furuta01/20130314 今春発行される「四国高演協だより2012」に、「世界はギフトを待っている」という拙文を投稿しました。内容は、このブログでも触れた四国大会の感想に手を加えたものです。もともとは、高校演…

「四国高演協だより2012」の原稿 その1

「 世界はギフトを待っている 」(上) 古田 彰信 四国大会の最優秀校に対する講評は、印象批評に思え、正直オイラにはピンとこなかった。講評の中で「印象は〜」「印象に残ったのは〜」という言葉を重ねていたことに、審査員長はどこまで自覚的だったのだろ…